開業時に税理士は必要か。税理士に頼んだ方が良いかの判断基準。
開業時に税金・経理周りのサポートを税理士にお願いした方が良いかどうか、迷われる方は多いと思います。
税理士に頼むべきかどうかの考え方について書いてみました。
目次
税理士がいらないケース
以下のいずれにも当てはまる方であれば、すぐに税理士に頼まなくても大丈夫かもしれません。
- ひとりで事業をしている
- 初年度の売上予測が数百万
- 消費税の免税事業者
- 身近な友人や親族が事業をしていて気軽に聞ける
- 自分で調べるのが得意・好き
ひとりで仕事をしている方で、売上規模が年間数百万、かつ消費税の課税事業者でなければ、税務的にはそこまで複雑な論点は出てこないと考えられるからです。(あくまで傾向ですが)
また、身近に気軽に聞ける人がいれば、あえてプロにお金を払わなくても解決できることは多いかもしれません。
自分で調べるのが得意・好きということであれば、税理士に相談しなくてもネットや本で調べて何とかなるケースも多いでしょう。
実際、個人(フリーランス)の方であれば、税理士をつけずにすべて一人で普段の経理から確定申告までされている方も大勢いらっしゃいます。
ただ、「ひとりでやっている」と「きちんとできている」というのはまた別の問題です。
「今まで自分でやっていたけど、今回から税理士さんにお願いしたい」とご依頼いただくことは良くあります。
そのようなお客様の過去の申告書や会計ソフトを拝見すると、大抵の場合、どこかしら間違っているものです。
また、税法に限りませんが、法律というのは全体像をわかっていないとヤケドする危険があります。
たとえば、「AならB」という決まりがあったとします。
このとき、ほんの少しの条件(たとえば「A’」とします)が加わっただけで、結果がCとなることは多いです。
自分がA’に当てはまっていても、それに気づかず「B」という結論を出してしまうと後で痛い目に合うことがあるのです。
一般の方が自分ですべてやろうとすると、「自分が間違っていることに気が付かない」というケースも多いということです。
もちろん、間違っていても、それが明るみに出るのは税務署から問い合わせが来たり調査が入ったときです。
“そのままスルーされて終わり”ということもありえます。
間違えた金額が僅少な場合、追加で払う税金もそんなに多くならないこともあります。
間違えないに越したことはありませんが、間違いを恐れすぎてもいけないかなと。(まったく自分でできなくなってしまいますので)
このようなリスクと、税理士に頼んだ場合の費用を考えて税理士に依頼するか決めましょう。
後述しますが、税理士にお願いする場合でも、必ずしも顧問契約する必要はありません。
単発で相談するという方法もあるからです。
税理士に頼んだ方が良いケース
以下のいずれかに該当するのであれば、開業時から税理士をつけた方が良いと考えます。
- 初年度の売上予測が1,000万円前後、またはそれ以上
- 出資を受ける予定がある
- 大きな設備投資をする予定がある
- 早い段階で人を雇う予定がある
- 自分で調べるのが苦手・時間がない・面倒
売上規模が大きく、拡大していく予定があるのであれば、税務的な論点もそれに比例して多くなっていきます。
特に売上が1,000万近くなるとか、設備投資の予定がある場合には消費税のことも考えなければなりません。
スポットでも良いので、適宜税理士に相談した方が良いでしょう。
また、ひとりで事業をされている方や、売上規模がそこまで大きくない場合でも、調べるのが苦手であったり、
「調べたけどこれで本当に合っているのか不安」
「常に税理士に質問でき、チェックしてもらえる方が安心できる」
ということであれば、開業初年度から税理士に見てもらった方が良いと考えます。
自分に必要なメニュー・税理士を選ぶ
税理士に頼むとした場合、次に考えなければいけないのはどのようなサービスをお願いするかです。
税理士事務所が用意しているメニューは主に顧問と単発です。
顧問契約
顧問は、一定期間継続的なサポートを受けられるメニューです。
いつでも税理士に質問ができ、普段の経理から決算申告までまるっとサポートしてもらえます。
疑問や不安を溜め込まずにすぐに解消でき、常に税理士にチェックしてもらっているという安心感もあります。
ただ、常にサポートしてもらえる分、それなりの金額はすることが多いです。
開業時のお金が少ない状態で顧問契約をするのはなかなか難しいという問題はあります。
単発相談・申告
金額的に顧問契約が難しければ、スポットで税理士にお願いするというのもありです。
「決算・確定申告だけ税理士にお願いする」という方もいらっしゃいますし、申告書までご自身で作り、「最後のチェックだけ税理士にお願いしたい」という方もいらっしゃいます。
普段は自分で調べ、調べてもわからないことがあればその時だけ税理士にお願いするという方法もあります。
「これって相談した方が良いかも」と自分で気づく必要はありますが、費用は抑えられます。
チェックだけだったり、単発相談を受けている税理士事務所は意外と少ないのですが、ネットで探せば見つかります。
僕も単発での相談も受けていますが、幸い喜んでいただけています。
法人のお客様で規模もそれなりですが、普段はご自身で調べ、わからないことがあればご相談いただいている会社様もいらっしゃいます。
もちろん、開業・設立当初から税理士に顧問をお願いするのが一番安心ではありますが、ご自身の予算や状況に応じて考えていただくのがベストです。
最初はスポットでお願いし、顧問は必要になってからでも遅くはないケースがほとんどです。
サービスメニュー
Postscript執筆後記
今日は区役所の無料相談の相談員を初担当。パソコンを使って調べながらやろうと思っていたのですが、まさかの電波がほぼ入らず焦りました笑
来客用のWi-Fiでも用意してもらえるとありがたいのですが…
Something New一日一新
区民相談担当スタバ パンプキンスパイスラテ(オーツミルク)