資本金はいくらにすべきか。資本金で影響を受けるもの。
会社を作るときに、資本金はいくらがいいか悩むもの。
資本金額によって影響を受けるもの、おすすめの資本金額についてまとめてみました。
目次
資本金とは
資本金とは、会社を運営していく上での最初の元手となるお金です。
会社を作るときに口座に払込をします。
あとで増やしたり減らしたりすることもできますが、その都度登記が必要です。
現在は資本金は1円からでも会社を作れます。
ただ、少なすぎても多すぎてもデメリットがあります。
資本金の金額によって影響を受けるものもありますので、慎重に決めたいところです。
資本金で影響を受けるもの
口座開設
法人名義の銀行口座を開設する際には、「資本金は少なすぎない方が良い」「多いほど良い」と言われています。
実際に、メガバンクやネット専業銀行でも楽天銀行、ジャパンネット銀行などは資本金が少ないと作れないケースもあるようです。
(もちろん、資本金だけが理由とは限りませんが)
ただ、資本金が口座開設に影響しない銀行もあります。
僕が最初の口座開設をした住信SBIネット銀行は、申込時に資本金について入力する箇所はありません。(あくまで僕が作ったときの話です)
実際、資本金額は多くはないのですが、無事に開設することができました。
信用
資本金が多い方が対外的なイメージは良く、信用力があるとも言われています。(社宅などを借りる際にも多少影響するという話も)
HPなどに記載するのであれば、確かに資本金が多いと何となく「大きい起業」「儲かってそう」というイメージは与えられるかもしれません。
しかし、資本金は特に外部に公表する義務はありませんし、聞かれるシーンも少ないように思います。
ただし、資本金額は謄本に載ってしまい、調べようと思えば誰でも調べることはできます。(あえてお金を払って謄本を取る方も少ないと思いますが…)
税金面
一番考えなければいけないのは税金への影響です。
次のものは資本金の金額によって影響を受けます。
消費税
消費税は通常1、2期目は納める義務はありません。
ところが、資本金が1,000万円以上で設立してしまうと、1期目から消費税を払う必要があります。
なお、3期目からは2年前(1期目)の売上高で判断します。
均等割
法人が払う税金の中には、「都道府県民税均等割」と言って利益が出ていなくても払わなければいけない税金があります。
こちらは通常7万円前後です。
しかし、期末の資本金が1,000万円超の場合、この均等割の金額は増えてしまいます。
こちらは会社の状況により細かく金額が決められていますが、たとえば
- 東京都に本店(支店はなし)
- 期末資本金1,100万円
- 従業員は社長1人
の場合、均等割は180,000円です。
なお、厳密には資本金だけではなく資本準備金も含まれます。
期中に増資をしていて、半額を資本準備金にしている場合などでも、資本金・資本準備金が合計で1,000万円を超えている場合は注意しましょう。
中小企業者の特例
期末資本金が1億円を超えてしまうと、次のような特例が使えなくなってしまいます。(厳密には、大法人との間に一定の資本関係がある場合など、資本金が1億円以下であっても使えないケースはあります)
- 800万以下の利益に対する税率が15%となる
- 貸倒引当金を設定できる
- 一定の税額控除が使える
- 一定の特別償却が使える
- 30万未満の資産が一括で経費にできる
- 交際費のうち年間800万円までが経費にできる
- 欠損金の繰り戻し還付が使える(1億円超でも使えるケースあり)
- 一定の欠損金について全額が控除できる(控除限度額がない)
中小企業の場合は普段あまり意識することはないと思いますが、これらの法律は一定の事業者のみ認められている特例という位置づけです。
「1億円」という区切り以外にも、資本金が5億円だったり、10億円を超えてしまうと適用関係が変わってしまう法律もあります。
資本金はいくらがいいか
上記を考慮すると、資本金は「1,000万円未満で、できるだけ大きい金額」がベストということになります。
迷ったらとりあえず100万にするのがおすすめです。
少なすぎると口座開設や諸々の手続きの際の信用面で不利となることもありますが、100万円であればそのリスクは少ないと言えます。
また、資本金は事業をするための元手です。
会社設立の際に登記だけでも6万〜30万くらいはかかりますので、最低でもこれらの金額+使うであろう経費の額を資本金としておくのが理論的に妥当ではあります。
もちろん、すぐに売上が入ってくるのであれば少なくても平気ですし、足りない分は社長からの借入としておけば税務上は問題ありません。
資本金100万であれば、税金上のメリットも問題なく受けることができます。
会社を作るときに少しでも参考になれば幸いです。
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横浜赤レンガ倉庫のLocal Green Festivalが中止となりました。こんな状況なので仕方ないですが、残念です…。