2年で左でもギターが弾けるようになるまでにやったこと。
もともと左利きにもかかわらず右でギターを弾いていた僕が、2021年11月末にギターを左に持ち替えてから2年と1ヶ月ほど経ちました。
現在の状況と、2年間で左でもある程度ギターが弾けるようになるまでにやったことをまとめてみます。
目次
現在の状況
2023年12月時点での実力は以下のようなものです。
- BPM85くらいまでの曲なら、ピックでのコードストロークで弾ける
- FやBm、Bなどのバレーコードも押さえられる
- BPM85くらいまでなら簡単なアルペジオも弾ける(ピック、指)
- 聞いたことのある曲なら、Uフレットなどのコード譜を見れば初見でも何となく弾ける
- 人前でも弾き語りライブができる
ただ、コードチェンジが激しい曲や転調してバレーコードがバンバン出てくるような曲(Mr.Childrenとか)は、ゆっくり弾かないとまだ少しきついですね。
2年で左でも弾けるようになるまでにやったこと
左である程度弾けるようになるまでに、次のようなことをやってきました。
左利き用ギターを買った
長い間悩んだ末、「ギターを左に持ち替える」と決意してから、最初に左利き用ギター(レフティギター)を買いました。
都内の色々な店舗を回ったり、YouTubeのレビュー動画を見て検討した結果、選んだのがMartinの00-15mというモデル。
ピックアップなしの純粋なアコースティックギターですが、オールマホガニーで軽く、少しボディが小さいため抱えやすいです。
サステインが長めの優しい音がします。
シンプルでダークブラウンの見た目も気に入っています。
約19万円しましたが、毎日弾いているので今となっては安い買い物だったと思います。
このとき、「挫折するかもしれないから」と、レフティ用の入門ギターセットのような安いギターを買わなくて良かったなと。
時間をかけて比較検討し、高くても本当に気に入ったギターを買ったことで愛着が湧き、練習にも身が入りました。
「ギターを左に持ち替える」と宣言した
左利き用ギターを購入したことは、当時の音楽友達含め当初誰にも言っていませんでした。
(「弾けるようになってから、いきなり左で披露したらかっこいいだろうなぁ」という魂胆が少しありました…笑)
しかし、友人との会話の中で何となく黙っているのが面倒になってきたため、左に持ち替える決断をしたことを話しました。
あの頃は良く音楽バーに行って演奏していました。
せっかく左利き用ギターを買ったのにバーでは右で演奏するとなると、そのために右でも練習しなければなりません。
ステージでの演奏経験自体も上達につながるわけですが、そこで左で弾かないとなるとその時間が無駄になるということもありました。
“有言実行”とは良く言いますが、早い段階で言ってしまったことで良い意味で左で後に引けなくなりましたね。
知り合いからは「今更左に替えなくてもいいんじゃないの?」と言われたりもしましたが、
「絶対左でも弾けるようになってやるから今に見てろ」
と、心の中では思っていました。笑
宣言したからこそ、そういう気持ちを芽生えさせ、それをバネにすることができました。
毎日練習した
旅行などでどうしてもギターに触れないときを除き、基本的に毎日練習していました。
練習時間としては、通常時はだいたい1日30分、後述するライブ前は2〜3時間ほどです。
できるだけ近所迷惑にならないように、かつ予定や体調に左右されないように昼間の出かける前に練習しています。
練習するときは、次のようなことを意識していました。
フォームを意識する
ピックの持ち方やコードの押さえ方など、まずは基本に立ち返ってフォームを確認しました。
とはいえ、最初から完璧なフォームでは弾けないので、練習しながら徐々に修正していきました。
具体的には、
- 右で弾いていたときはどういう風にピックを握っていたか
- どんな指や手首の角度でコードを押さえていたのか
などを思い返しました。
YouTubeやネット、本で調べたり、ギターの上手い友人に聞いたりもしました。
基礎練習
左にギターを持ち替えると、利き手ではない右手でコードを押さえることになります。
最初は右手(特に小指)が全然動かなかったので、指の筋トレやストレッチ、クロマチックトレーニングなどをやっていました。
ストロークに関しては、1つのコード押さえたままでメトロノームに合わせてひたすらストロークする練習をしました。
また、ピックがずれないようにするために、右手で弦をミュートして左手でストロークする練習もしていました。
ミュートして弾く練習は、夜など音を出しづらいときでもできるのでおすすめです。
弦の間隔を体に覚え込ませるために、右手でミュートまたは開放弦にしたままアルペジオを弾く練習もやっていました。
苦手克服
好きな曲を何となく弾いている方が楽で楽しいのですが、それではあまり上達しません。
そこで、上記の基礎練習を含め「今自分ができていない部分はどこか」ということを常に意識して練習しました。
たとえば、曲で練習するときは1曲通して練習することはライブ前など必要なときだけにします。
普段は苦手なフレーズ、コードチェンジなどを重点的に練習していました。
ダラダラと1〜2時間ギターを弾いているよりも、苦手な部分だけを毎日15〜30分練習する方が上達は早いです。
ただ、あまりストイックにやりすぎても嫌になってしまいます。
土日や精神的に疲れているときは、単純にそのとき弾きたい気分の曲を弾いていました。
右手を使って食事をした
3ヶ月ほど前から、箸、スプーン、フォークなど、食事をするときは基本的に右手を使っています。
(大好きなインドカレー屋さんでナンを食べるときも右手でちぎっています。笑)
これが効果絶大で、日に日に右手でコードを押さえるのが楽になっていきました。
最初は、「あ、右手で食べなきゃ」という感じだったのですが、今では何も考えずに右手で食事することが当たり前になりました。
腕時計も前は右腕にしていましたが、今は左腕にしています。(ギターを弾くときはストローク時に邪魔になるので右に付け替えています)
食べるのが自然とゆっくりになるので、健康にも良いという副次的な効果もあります。
ちなみに、僕は悩みがあるときや重大な決断をするときは紙に書いて自分の考えを整理するようにしています。
このときも右手を使うようにしていたので、最近はゆっくりであれば右手でも字が書けるようになりました。
おかげで、コードを押さえられるようになるスピードが上がっていると感じます。
SNSで発信した
まだ左で全然弾けない頃から、弾き語りカバーの動画や練習風景を撮影した動画をInstagramやYouTubeなどにアップし始めました。
自分の演奏を録画するとフォームなどを客観的に見ることができます。
また、誰かに見られることを意識することで、より上手くなるという効果もあります。
一時は週一アップを目標にしていたので、「来週までにこの曲を弾けるようにならなくちゃ」と、締切効果で練習にも身が入ったものです。
下手でもライブに出演した
SNSで発信するようになってから、企業様や他のアーティストさんからご依頼をいただき、ライブに出させていただくようになりました。(今年はオンラインで1回、リアルで4回)
ライブはお金を払って見に来てくださるお客様の前で演奏することになります。
そのため、やはり家でひとりで弾いているのとはわけが違います。
ライブが決まると、それに向けて緊張感を持って練習しますので、その分上手くなるのはある意味当たり前といえます。
また、ライブはスポーツでいうところの「試合」なので、実戦経験を積めるという意味でも下手なうちから出ておいて損はないかと。
ライブに出演するとアーティスト仲間もできます。
良い刺激になり、別のライブに誘っていただける機会も増えるという好循環が生まれます。
(ライブで知り合ったアーティストさんからのお誘いで、来年はすでに2つライブが決まっています)
左で弾けるようになるまでに & 弾けるようになって感じたこと
楽じゃなかった
当初、「今までの経験と知識もあるし、利き手で弾くんだから2ヶ月くらいで左でも弾けるっしょ」と、正直なめていました。笑
ところが、始めてみると2ヶ月なんて到底無理でしたね…。
(教室に通うとか、集中して1曲に絞るとかならもしかしたらできたかもしれませんが)
毎日練習しているのに全然上達を感じられず、ライブでも沢山ミスして落ち込んだりしました。
「やっぱり自分にはセンスがないのかも」
「『正しい』と思っていたフォームが間違っているのかも」
と、不安にもなりました。
大好きなはずのギターが弾けるようにならないことがストレスになり、ストレス解消に走ってしまったり、練習時間が減ってしまった時期もありました。
二次関数的に伸びる
しかし、スポーツでも勉強でも同じだと思うのですが、あるとき急に上達を感じられる時期が来ます。
「あれ、なんか弾けるようになってる」と、自分でも驚くときが来るのです。
途中まではずっときつくて、あまり成長を感じられません。
しかし、ある一時期を乗り越えると急に弾けるようになってきます。
いわば二次関数の曲線的に上達するイメージです。
利き手で弾いた方が上達は早い
そして、その1点を超えるとさらに上達を感じられるようになります。
右で弾いていたときは、コードを押さえるのは左手(利き手)なので比較的すぐ押さえられるようになります。
一方で、右手でのストロークやアルペジオは練習量の割に上達が遅いと感じていました。(それが、左に持ち替えようと思った理由のひとつでもあります)
今回、左に持ち替えてみて、ストロークやアルペジオは右のときよりも上達が早いと感じます。
「お、なんか昨日より弾きやすいな」と思うことが多いのです。
やはり、細かい動作や速い動きは利き手が有利だと思います。
コードを押さえる右手に関しては、こちらは慣れや時間の問題が大きいと感じます。
もちろん、利き手である左手の方が押さえられるようになるまでの期間は短かったです。
それでも、ある程度フォームを意識しながら毎日短時間でも弾いていれば、バレーコードなどの難しいコードも右手で自然と押さえられるようになります。
リズムが取りやすい、歌が歌いやすい
左に持ち替えて良かったことのひとつは、リズムが取りやすくなったことです。
僕は弾き語りがメインなので、歌いながらギターを弾くことが多いです。
右で弾いていたときは、少し変わったリズムになると弾きづらかったり、弾きながら歌いづらいということがありました。
左に替えてからは、右のときに感じていた違和感がなくなり、リズムがよれにくくなりました。
その結果、格段にギターを弾きながら歌いやすくなりました。
練習は裏切らない
そして、2年間の挑戦でわかったことは「練習は裏切らない」ということです。
上記の通り最初は全く弾けなくてつらいです。
それでも諦めずに毎日少しずつでも弾いていれば、そのうち必ず弾けるようになります。
生きていると嫌なことがあったり、信頼していた人に裏切られたり、人生は予想できない不確実な要素が多すぎます。笑
そんな中でも、ギターは練習した分だけ確実に上手くなります。
今はそれがわかっているので、練習自体が楽しく、練習時間を増やしています。
その結果、さらに上達するという好循環になっています。
僕はギターを弾くことにはセラピー効果があると思っています。
そのため、落ち込んでいるときこそギターを弾くようにしています。
そうすると上達を感じられ、自己肯定感が増し、そのたびに「あー、やっぱり練習は裏切らないな」と思うものです。
僕はここまで来るのに2年かかってしまいましたが、もっとセンスがあったり誰かに習ったりすれば、もっと早く弾けるようになるとは思います。
それでも、「とりあえず2年練習すれば左でも弾けるようになる」という事例のひとつとして、
- ギターを左に持ち替えようか迷っている方
- 左利きで、右と左どちらでギターを始めようか迷っている方
- 利き手問わず、ギターを始めたばかりの方
などが少しでも勇気を持っていただくきっかけとなれば、嬉しく思います。
サービスメニュー
Postscript執筆後記
今月は、年内最後の弾き語りライブがありました。そこで声をかけてくださったお客様でご自身もアーティストの方と仲良くなり、ご自宅にお邪魔させていただき、一緒に弾き語りセッションもさせていただきました。
来年はその方に誘っていただいたライブに出演する予定もあり、さらに精進していきたいところです。
Something New一日一新
アーティストの方のお誘いでライブ出演河原で弾き語りセッション
Time is Curry シャポー市川店
ヤミーズ 旧ヤム邸 六本木店
映画 『ナポレオン』
映画 『るろうに剣心 』