確定申告は国税庁HPでサクッと。知識がなくても申告書を作れる!
確定申告は国税庁のHPの確定申告書作成コーナーを使うと便利です。 知識がなくてもミスをしづらく、指示に従って項目を入力していくだけで簡単に確定申告書を作成することができます。
すでに会計ソフトやエクセルの入力・集計が済んでいる方や、給与所得だけで税金が戻ってくる方などは手書きよりも楽に終わらせることができます。
今回は給与所得だけで税金が戻ってくる方(給与収入が年間103万円以下など)を例に、使い方を解説します。
目次
e-Taxで申告するか郵送・持参にするか決める
確定申告はe-Tax(電子申告)か郵送(もしくは税務署に持参)の方法により提出することができます。 本当はe-Taxが一番便利なのですが、事前に手続きが必要です。 また、次のものが必要になります。
- 住基カード又はマイナンバーカード(通知カードではないので注意)
- カードリーダー(安いものでだいたい2,000円くらい)
手続の手間や、自分の還付額なども考慮しつつ、電子申告するかどうか決めましょう。
今回は申請が間に合わないという方も、来年度以後も毎年確定申告を自分でするような方は早めに手続をしておくと良いです。
今回は申請手続が間に合わない、たまたま確定申告するだけ、という方は郵送で提出することになります。
指示に従って入力
提出方法を決めたら、実際に申告書を作成します。
今回は、給与所得だけで年末調整をしておらず、還付がある方(郵送提出)を例に説明します。 給与所得だけの方は、
- 給与所得の源泉徴収票
- 社会保険料、生命保険料などの控除証明書
- 本人確認書類(健康保険証、免許証など)
- マイナンバー通知カード
などを用意しておきましょう。
まずは国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスします。
「確定申告書作成コーナー パソコンで申告書等を作成される方」をクリックします。
次に、今回新しく作成する方は、「申告書・決算書・収支内訳書 作成開始」をクリックします。
e-Taxか書面提出を選びます。 今回は郵送なので、「書面提出」です。
動作環境をチェックします。
今回は、所得税なので「所得税コーナーへ」をクリックします。
今回は給与のみなので、左の「給与・年金専用」を選びます。
提出方法を選択します。 今回は「印刷して税務署へ提出」です。 生年月日も入れたら「次へ」。
給与のみにチェックを入れます。 今回、サラリーマンなどの方で医療費控除のためだけに確定申告をする方もこちらです。
今回は 「給与の支払者は1箇所のみ」 「年末調整は行っていない」 にチェックを入れます。 ※給与所得のみのアルバイトやサラリーマンなどの方で、年末調整が済んでいる方は特別な事情がなければ確定申告は不要です。
給与の「入力する」をクリックします。
給与の金額、源泉徴収額などを入力します。 奥さんや旦那さんが働いている方は、「配偶者の合計所得」も入れます。 このとき、「給与(収入)」と「所得」は異なるので注意してください。 例えば、奥さんがパートなどで、年間の給与収入が103万円以下であれば、「所得」は自動的にゼロ円になります。 この場合には、「配偶者の合計所得」欄は空欄でOKです。
先程用意した書類を見ながら、社会保険、生命保険などの金額を入力します。 社会保険料は、もし家族の分の国民年金なども自分が払っている場合は、その金額も加算することができます。
住民税の徴収方法を選びます。 原則は給与から天引きなのですが、たとえば副業をしていて、それが会社にバレたくない方は「自分で納付」を選びます。 (※絶対にバレないというわけではありません。) 今回は給与所得1箇所だけなので関係ありませんが。
氏名等を入力していきます。
提出年月日は、実際の提出日と多少ずれても大丈夫です。 例えば明日出すつもりなら、明日の日付にしておきましょう。
住所を入れると自動で管轄の税務署が出て来るので便利です。 ここまで入力すると、還付金額又は納付額が出ます。 給与所得年間103万円以下の方は、源泉徴収された金額がそのまま還付額になります。
金融機関は、一部のネット専用銀行だと還付されない場合があります(その場合には税務署から連絡がきます)。 ゆうちょやメガバンクの口座をお持ちであれば、そちらにしておいた方が確実です。 平成28年度の確定申告からマイナンバーの記載が必要になりました。 マイナンバー通知カード、またはマイナンバーカードに記載されている番号を正しく入れましょう。 (入れないで出すこともできますが、後で聞かれる可能性もあるので入れておいた方が良いです。)
入力データを保存します。 「帳票表示・印刷」を押すと、PDFで保存されます。 こちらは「ダウンロード」フォルダなどにおちてきますので、家にプリンターがない方などは、こちらをUSBに入れるか、メールでプリンターとつながっているパソコンに送るかして印刷しましょう。
郵送提出の場合は、当日消印有効ですが、必ず間に合うように余裕を持って出しましょう。
こちらにも記載がありますが、毎年確定申告をする方は振替納税などの手続をしておくと翌年以降が楽になります。 所得税の申告書作成は、これで終了です。 他の税目(消費税など)の申告もする方は、左下の「こちら」をクリックします。
郵送する場合の注意点など
郵送するときは、印刷した「提出書類等のチェックシート」に記載されている書類をそろえます。
「控」と書かれているものや、「チェックシート」は提出する必要はありません。 郵送する場合は、「提出書類等のチェックシート」の右下の税務署の宛先を切り取って封筒に貼ると便利です。
収受印がほしい場合
提出したことの証拠として税務署の収受印をもらいたい場合は、「控」の申告書とともに切手(120円で大丈夫です)を貼った返信用封筒を一緒にいれます。 そうすれば、収受印の押された「控」の申告書のみ返送してもらえます。
ちなみに良く勘違いされている方がいるのですが、この収受印は単に「申告書の提出を受け付けました」ということの証明でしかありません。 つまり、内容が正しい、この金額で是認しました、ということではないので注意が必要です。
もし税務調査などで脱税が発覚すると追徴課税がされます。 脱税はしないようにしましょう。
本人確認書類等について
源泉徴収票、社会保険料控除証明書、生命保険料控除証明書などは、「添付書類台紙」に貼って提出します。 いちおう「のりしろ」欄がありますが、貼る位置はあまり気にしなくて大丈夫です。 源泉徴収票、社会保険料控除証明書、生命保険料控除証明書などは原本を貼ります。 一方、本人確認書類(マイナンバー通知カード、免許証など)はコピーを貼ります。 間違えないように気をつけましょう。
また、住所変更でマイナンバー通知カードや免許証の表面に記載されている住所と現住所が異なる場合は、変更後の住所が記載されている裏面のコピーも必要になります。
確定申告書の作成は本来、自分でやるか、税理士に作ってもらうかしなければなりません。
税理士資格のない人に頼んでいる方も見かけますが、有料、無料を問わず、本当は税理士法違反です。
この国税庁HP「確定申告書作成コーナー」は税理士事務所でも使っているところがあるくらい、便利なものです。 給与所得で還付がある方を例に解説しましたが、事業所得や雑所得などの方も、指示に従っていけばだいたい作れてしまいます。 ご自身で確定申告をする方は是非使ってみてください。