フリーランス・ひとり社長のための勘定科目一覧。
会計ソフトで取引の入力・登録をしているときに、どの勘定科目を使えば良いか迷うこともあると思います。
ここでは、フリーランスやひとり社長が最低限覚えておいた方が良い、良く使う勘定科目をピックアップしました。
目次
- 1. 勘定科目の内容
- 1.1. 役員報酬
- 1.2. 旅費交通費
- 1.3. 租税公課
- 1.4. 法定福利費
- 1.5. 通信費
- 1.6. 地代家賃
- 1.7. 減価償却費
- 1.8. 保険料
- 1.9. 車両費
- 1.10. 支払手数料
- 1.11. 新聞図書費
- 1.12. 研修費
- 1.13. 消耗品費
- 1.14. 交際費
- 1.15. 会議費
- 1.16. 福利厚生費
- 1.17. リース料
- 1.18. 諸会費
- 1.19. 外注費
- 1.20. 広告宣伝費
- 1.21. 雑費
- 1.22. 雑収入
- 1.23. 受取利息
- 1.24. 支払利息
- 1.25. 法人税、住民税及び事業税
- 1.26. 売掛金
- 1.27. 仮払税金
- 1.28. 仮払源泉税
- 1.29. 敷金
- 1.30. 長期前払費用
- 1.31. 買掛金
- 1.32. 未払金
- 1.33. 未払法人税等
- 1.34. 未払消費税等
- 1.35. 預り金
- 1.36. 社長借入金(役員借入金・短期借入金)
- 1.37. 長期借入金
- 1.38. 事業主借・事業主貸
- 2. 勘定科目に正解はない
勘定科目の内容
それでは、勘定科目ごとに、どんな内容の取引を入れていけば良いか紹介します。
なお、基本的には各会計ソフトに最初からある科目を使えばOKです。
ないものや、追加で作成したいものは会計ソフトの「勘定科目設定」のようなところから作成していただければと思います。
役員報酬
ひとり社長が自分に給料を出しているときに使います。
旅費交通費
通勤や移動、取引先と会うための交通費、出張旅費、出張手当、宿泊費、駐車場代、ガソリン代などです。
通勤手当など、細かく管理したいものがあれば「通勤手当(通勤交通費)」などの科目を作ってわけてもOKです。
租税公課
印紙、謄本、行政手数料、自動車税、個人事業税、税込経理の場合の消費税などを払ったときに使います。
法定福利費
社会保険料(健康保険・厚生年金)の会社負担分です。
通信費
携帯電話代、Wi-Fi代、秘書電話サービス料、切手、封筒、郵便代、宅配便代などです。
地代家賃
オフィスや社宅の家賃、コワーキングスペースの利用料、自宅のうち経費に入れる部分などに使います。
減価償却費
30万円以上の資産を経費にするときに使います。
保険料
生命保険料、損害保険料、セーフティ共済の掛け金などを払ったときに使います。
なお、個人の場合は生命保険料は事業の経費にはなりません。(事業主借)
車両費
車両関連費、ガソリン代、保険料などです。
旅費交通費に含めてしまっても構いません。
支払手数料
振込手数料、Dropbox、Evernoteなどの使用料、コンサルティング料、決済手数料、セミナー会場利用料、レンタルサーバー利用料、メルマガ発行システム利用料、ドメイン料、バーチャルオフィス利用料、仲介手数料、税理士・司法書士・弁護士などへの報酬などです。
士業への報酬は「支払報酬」などの科目を作っても構いません。
新聞図書費
書籍、新聞、定期購読誌の購読料、有料メルマガ購読料、電子書籍、Kindle Unlimitedの料金などです。
研修費
セミナー参加費、動画・音声教材の購入費などが入ります。
消耗品費
パソコン、ソフト、アプリ、PC用品、文房具、机、椅子、スキャナー、事務用品など(1組30万円未満のもの)です。
交際費
接待費、手土産、香典、祝い金、ゴルフなどの支出に使います。
会議費
打ち合わせ代、カフェ代などです。
福利厚生費
従業員に対するものですので、人を雇っていないフリーランス、ひとり社長の場合には基本的に使いません。
リース料
複合機のリース料などです。
諸会費
所属している同業者団体などの会費を払ったときに使います。
外注費
外部のライター、デザイナー、エンジニアなどに業務委託したときに使います。
広告宣伝費
Facebook・Twitter・Google・Instagram広告などのWEB広告、DM、ちらし作成料、HP作成料などが入ります。
雑費
「雑費」にしてしまうと何に使ったかがわかりづらいです。
できるだけ使わないのがおすすめです。
雑収入
売上以外の収入です。
給付金や助成金、補助金などもここに入ります。
別途科目を作ってもOKです。
受取利息
預金利息が入ってきたときに使います。
ちなみに、個人事業主(フリーランス)の場合は「受取利息」は事業の収入にならず、「事業主貸」を使用します。
支払利息
借入金利息を払ったときに使います。
なお、元本の返済は経費になりません。
法人税、住民税及び事業税
法人が、中間納付した法人税等、今期分の未払い計上した法人税等に使います。
売掛金
未回収の売上代金です。
仮払税金
中間納付した消費税に使います。
仮払源泉税
個人事業主で、売上代金の入金時に源泉所得税が引かれている場合は、この科目で処理しておくと確定申告のときに楽になります。
敷金
オフィスや社宅の敷金です。
長期前払費用
借り入れに伴う保証協会の保証料です。
借入期間に応じて経費にします。
買掛金
まだ払っていない仕入れの代金です。
未払金
仕入れ以外の未払いの経費です。
外注費の未払い分やクレジットカードの未決済分などに使います。
未払法人税等
今期分の確定申告で払うことになる、期末に未払い計上した法人税等です。
払ったときは、この勘定を取り崩します。
未払消費税等
今期分の確定申告で払うことになる、期末に未払い計上した消費税等です。
払ったときも、この勘定で処理します。
預り金
給料や外注費の源泉所得税、給料から天引きする住民税です。
社長借入金(役員借入金・短期借入金)
会社の経費を社長が立て替えて個人で払った場合は、この科目を使います。
長期借入金
銀行や日本政策金融公庫など金融機関からの借入金に使います。
事業主借・事業主貸
フリーランス(個人事業主)の場合の「社長借入金」のイメージです。
事業用の口座からプライベートの支出をした場合や、事業用口座に事業に関係がない入金があった場合もこの科目を使います。
事業主借と事業主貸はどちらを使っても問題ありません。
勘定科目に正解はない
勘定科目は、「この支出はこれを使いなさい」と法律で明確に決められているわけではありません。
極端な話、全部「雑費」でも間違いではないわけです。
とはいえ、それでは分かりにくいですし、ある程度の目安があった方が迷わなくて済みます。
まずは上記の分類を参考にし、慣れてきたらご自身が使いやすいようにカスタマイズしていくのが良いでしょう。
もう少し踏み込んだ使い分け方、勘定科目の作り方についてはこちらに書いています。
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Postscript執筆後記
いつもお昼に行くキッチンカーで、「食材が余っているから夕飯のおかずにでも」ということで魯肉飯の残りをいただきました。かなりありがたいです…