会社員の副業は事業所得?雑所得?副業の確定申告の注意点。
会社員の副業は事業所得、雑所得のどちらになるのでしょうか。
結論から言うと、多くの場合雑所得になります。
目次
会社員の副業は雑所得
以下のようなサラリーマンの副業は基本的に雑所得となります。
- WEBライティング、記事執筆
- メルカリ、オークションなどの収入
- ブログなどのアフィリエイト収入
- YouTubeの広告収入
- ココナラなどで請け負ったデザインやレッスンなどの収入
- フリーマーケットの収入
- モデル料
- FX、仮想通貨などの収入
- その他クラウドソーシングなどの収入
「とりあえず開業届を出しておけば事業所得になる」と勘違いされている方が多いのですが、事業所得に該当する合理的な理由がなければ雑所得として申告することになります。
事業所得と雑所得に明確な線引きはないものの、以下の要件を満たしていれば事業所得として認められる可能性はあります。
- 会社員の給与収入をはるかに上回る収入があり、それだけでも生活できる
- 単発または時々ではなく、コンスタントに売上が立っている
- ほぼ毎日稼働している、会社員としての勤務時間よりも稼働時間が長いなど、相当の時間・労力を費やしている
ちなみに、確定申告書を紙で提出した場合には税務署で収受印を押してもらえますが、この収受印はあくまで「申告書の提出を受け付けました」という証明でしかありません。
「事業所得として認められた」ということではありませんので、注意しましょう。
認められるか、認められないかというのが分かるのは税務調査が入ったときです。
もし認められなかった場合には、ペナルティとして追加で税金を払わなくてはならないこともあります。
なお、開業届を出してしまうと税務署から「事業所得があるのでは?」と疑われる可能性もあります。
不要な届出は出さないようにしましょう。(雑所得であれば開業届は不要)
事業所得と雑所得の違い
では、なぜ多くの人が事業所得にしたがるのかというと、事業所得にすると以下のようなメリットがあるからです。
- 他の収入と事業所得の赤字を相殺できる
- 65万、55万、または10万の特別控除が使える
- 身内に給料が出せる
- 赤字の繰り越しまたは繰り戻しができる
- 30万未満の資産を一度に経費にできる
他の収入と事業所得の赤字を相殺できる
事業所得の赤字が出た場合には、給与収入など一定の所得と相殺することができます。
その結果、所得を小さくすることができ、その分税金が安くなります。
雑所得の場合は、利益がマイナスとなった場合でも、その赤字部分は切り捨てとなります。
65万、55万、または10万の特別控除が使える
青色申告にした場合には、申告の仕方により65万、55万、または10万の特別控除が使えます。
詳しくはこちらを見ていただければと思います。
身内に給料が出せる
事業所得の場合、青色申告なら配偶者など身内に給料を出すことができます。
白色申告の場合も一定額の控除が使えます。
赤字の繰り越しまたは繰り戻しができる
事業所得で青色申告の場合、赤字を3年間繰り越すことができます。
また、前年が黒字で当年が赤字だった場合、前年の税金を取り戻すこともできます。
30万未満の資産を一度に経費にできる
通常は10万円以上の資産を買った場合には、減価償却といって毎年少しずつ経費にしていきます。
事業所得で青色申告の場合には、30万円未満の資産は1年でいっきに経費にすることができます。
事業所得にはこのような多くのメリットがあるため、副業を事業所得で申告するためのハードルも高くなっているのです。
ちなみに、事業所得にすると
- きちんと帳簿を作る必要がある(会計ソフトへの入力が必要)
- 税理士に頼む場合、料金が高くなることがある
といったデメリットもあります。
副業は確定申告が必要
給与収入のある会社員が副業で20万を超える利益を出している場合には、確定申告が必要です。
こちらはあくまで「利益」ですので、収入が20万円を超えていても、そこから経費を引いて利益が0またはマイナスとなる場合には、確定申告は不要です。
ただ、厳密には所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は必要になります。
住民税の申告書は紙でしか出せません。
どうせ申告をするなら、ネットで出せる所得税の確定申告をした方がある意味楽だとも言えます。(所得税の確定申告をした場合は、住民税の申告は不要)
なお、フリーランスの方であれば、上記の20万円ルールは関係ありません。
メインの収入以外にも収入があれば、その利益がどんなに小さくても利益が出ている限り、そちらも合わせて申告する必要があります。
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