法人の場合、前期の確定申告の税額によっては、中間納税が必要なことがあります。

そのおすすめの払い方について説明します。

目次

中間申告・中間納税とは

中間納税とは

中間納税とは、今期の確定申告の税金の前払いです。

たとえば、今期の決算で税額が100万だった場合、中間納税で40万を払っていれば、決算のときには100万-40万=60万円払えばいいということになります。

もし、決算の税金が仮に30万だった場合には、30万-40万で10万円が返ってきます。

  • 税務署が税金を取りっぱぐれないようにする
  • 事前に少し税金を払っておくことで、決算のときに慌てなくて済む(決算時の税金の痛みを和らげ、大きな支出を抑えることができる)

といった意味合いがあります。

 

中間納税は毎年すべての会社が行うというわけではなく、前期の法人税が20万円を超えているときだけです。

ここでいう「法人税」とは、国税の中の「法人税」のみを指します。

国に納める法人税・地方法人税と、都道府県や市区町村など地方公共団体に納める法人地方税を合わせて「法人税等」とも言いますが、今回はその中の「法人税」です。

(税理士に決算をお願いしている場合、「納付税額一覧表」といった表をもらえることがありますが、その中の一番上の「法人税」の金額が20万円を超えているかどうかで決まります)

 

なお、法人税の中間納税の金額は基本的に前期の税金の半分です。

端数処理の関係で多少ずれることはありますが、前期の決算の税額が50万だった場合、今期の中間納税は25万ということになります。

期首から8ヶ月後までに払う

中間申告の税金の支払い期限は、期首から8ヶ月後の末日までです。

12月決算の会社の場合、8月末までに払います。

決算のときは決算月から2ヶ月後が納期限(12月決算なら2月末)となりますが、中間納税も考え方は一緒です。

期首から半年後が今回の場合6月ですので、そこから2ヶ月後の8月が期限というわけです。

 

ただ、この期限は覚えていなくても大丈夫です。

中間納税は、だいたい期限の1ヶ月前くらいに税務署と都道府県事務所から金額も印字された書類が送られてきます。(税務署の方が少し遅めかもしれません)

「書類が来たら、そこに書いてある金額を払えばいい」と考えていただければと思います。

申告書は出さなくても良い

ちなみに、「中間申告」とはいうものの、申告書は出さなくても問題ありません。

申告書も送られては来ますが、こちらは提出が省略できます。

税金だけ払ってしまえば、それで中間納税の手続きは完了です。

 

ただ、例外もあります。

法人税の中間納税額は基本的に前期の半分と書きましたが、業績が悪く、その金額を払うのが厳しいケースもあります。

そんなときは、「仮決算」といって半年分の利益を計算し、その税額が申告書に印字された金額より小さくなれば、その「仮決算」ベースの金額で払うこともできます。

このときは申告書の提出も必要です。

中間納税のやり方

主な法人税の中間申告の税金の払い方と、おすすめの払い方について説明します。

納付書で払う

ひとつは、納付書で払う方法です。

送られてきた納付書というオレンジ色の紙を銀行など金融機関に持っていけば、その場で払うことができます。

 

ただ、これは銀行に出向く手間・窓口に並ぶ時間があり非効率です。

以下のいずれかの方法がおすすめです。

ダイレクト納付

事前に手続きが必要ですが、「ダイレクト納付」といってe-Taxでデータを送信し、そのまま銀行口座から即座に引き落とす方法があります。

事前の手続きと、e-Taxで自分で金額を入れなければいけないのがやや面倒ですが、一度手続きしてしまえば自宅からも税金が払えるので楽です。

もし税理士がお客様の納税まで代行する場合はこの方法になるでしょう。

 

社長や会社の経理担当者がご自身で手続きするのであれば、次のコンビニ支払いかペイジーの方が簡単でわかりやすいです。

コンビニで払う

国税(法人税と地方法人税)の場合、納付書の下に「領収控 兼 払込取扱票」という紙がくっついています。

税額によっては、ここに「コンビニエンスストア用バーコード」が印字されていることがあります。

このバーコードがあれば、これをコンビニのレジで見せることで、コンビニで払うことができます。

 

コンビニまで行く手間はありますが、銀行よりは店舗数も多いですし、並ぶとしても時間は短く済むかと思います。

銀行に行くよりはおすすめの方法です。

ペイジーで払う

ご自身で払う場合に一番おすすめなのが、ペイジーで払う方法です。

銀行口座がペイジーに対応している必要がありますが、納付書の左下に記載の4つの番号(収納機関番号・納付番号・納付区分・確認番号)をインターネットバンキングのペイジーで入力することで自宅にいながら払うことができます。(ATMでも払えます)

もし普段お使いの法人口座がペイジーに対応していない場合、社長の個人口座などから立て替えて払っても問題ありません。

 

ペイジーの使い方については、こちらを参考にしていただければと思います。

 

次回は、地方税のおすすめの払い方についても解説します。

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Postscript執筆後記

昨日は決算、調べ物、請求業務など。

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Seiji Aihara / 相原 征爾

Seiji Aihara / 相原 征爾

お金・時間・やりがいなどのバランスを取り人生を楽しむことをサポートする税理士・ミュージシャン・ひとり社長。
ブログ「FAVPRESSO」では生き方・ミニマリズム・ひとり仕事の効率化・音楽・おすすめアイテムなどについて発信。

得意な仕事はクラウド会計の導入・ペーパーレス化・経理業務効率化・各種シミュレーション・独立支援・デザインに関するコンサルティング・アコギの初め方サポートなど。
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