先日、友人から「引っ越しの時期と住民税は関係あるのか」という質問を受けました。

それにちなんで、住民税と引っ越しの関係、住民税が決まる仕組みについてまとめてみます。

目次

住民税はどこから課されるか

住民税は、その年の1月1日時点で住んでいる市区町村に払います。

住民税は6月頃から次の年にかけて払いますが、たとえば2021年1月1日の住所が東京都渋谷区であれば、2021年分の住民税は渋谷区から課されます。

年の途中で引っ越しをしてもこれは変わることはありません。

仮に、2021年3月に渋谷区から世田谷区に引っ越したとしても、2021年分の住民税はすべて渋谷区に払います。(2022年分の住民税は世田谷区に払います。)

月割で2月まで渋谷区へ、3月以降は世田谷区へ、といったことにはならないのです。

渋谷区と世田谷区から同時に税金がかかる、いわゆる二重課税にもなりません。

つまり、年の途中でいつ引っ越すかは基本的に住民税に影響しないということです。

 

ちなみに、「住んでいる場所」というのは住民票を移している・いないに関わらず実際に住んでいる場所です。

引っ越しをして住民票を移していない場合でも、年末調整などで住所の情報が市区町村に行っていれば、引越し後の市区町村から住民税が課されることになります。

なお、住民票を移していない方もたまにみかけますが、引っ越したときに住民票を移すのは法律で義務となっています。

引越し後14日以内に移さない場合、最大5万円の罰金が課されることもあります。

住民票を移さない場合、

  • 新しい住所地で選挙権の行使ができない
  • 免許の更新をする場合、旧住所ですることになる
  • 図書館などの公共施設が利用できなかったり、有料になることもある
  • 印鑑証明書など各種証明書もわざわざ遠い旧住所の役所まで取りに行かないといけない

といったデメリットもあります。

引っ越したら基本的にすぐに転入届の手続きはやっておきましょう。

 

余談ですが、確定申告をしているフリーランスの方で、納税地を住所地にしている場合は税務署へ「異動届」も出しておきましょう。

提出先は引っ越し前の住所地の管轄税務署です。

[手続名]所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出手続|国税庁

 

一定の手続きをすればネットで出すこともできます。

住民税が決まる仕組み

住民税は、所得が決まると自動的に決まるようになっています。

会社員の場合

会社員の方は、会社(もしくは会社がお願いしている税理士や社労士)が年末調整をしてくれますので、自分で税金の計算をする必要はありません。

なお、会社員の方の所得は、給与収入から「給与所得控除」という一定額の経費のようなものを引き、さらに社会保険や生命保険などの控除額を引いて計算します。

年末調整でその年の最終的な所得税が決まると、会社は翌年の1月末までに市区町村に「給与支払報告書」という書類を提出します。

この「給与支払報告書」をもとに、市区町村が住民税を計算します。

6月頃、市区町村から会社へ「特別徴収税額決定通知書」という書類が送られます。

この書類には、各従業員の給与から天引きする住民税の額が記載されています。

これをもとに、毎月の給与から住民税が天引きされます。

フリーランス(個人事業主)の場合

フリーランスの方は自分で確定申告をして税金を計算します。

フリーランスの方の所得は事業所得です。

事業所得は、売上からかかった経費を差し引いて計算します。

他に不動産所得、雑所得などがあればそれらを合算し、会社員の方と同じように社会保険や生命保険の控除額を引いて最終的な所得を計算します。

確定申告をすると、税務署経由でその方の所得の情報が市区町村に行きます。

市区町村は、その情報をもとに住民税を計算し、6月頃住民税の通知書と納付書をそれぞれの方に送ります。

そして、その納付書でフリーランスの方は自分で住民税を払います。

 

確定申告をしていれば住民税は自動的に決まりますが、仮に確定申告をしていないと市区町村から問い合わせが来ることもあります。

確定申告が不要な場合でも、基本的に住民税の申告は必要ですので注意しましょう。

住民税は市区町村によって変わるか

結論から言いますと、「ほんの少しだけ変わることもあるが、ほとんど変わらない」というのが実情です。

変わるとしても年に数百円〜千円前後といったところです。

東京都23区内であれば、基本的にどこに住んでいても住民税は変わりません。

住民税の税率は全国一律で、市区町村民税6%・都道府県民税4%の合計10%です。(一部の市区町村では内訳の割合が変わります)

また、均等割といって所得に関わらず課される金額が市区町村民税3,500円、都道府県民税1,500円の合計5,000円の定額となっています。(こちらも市区町村によって割合・金額が変わることがあります。所得の金額によっては免除される場合もあります)

計算方法も基本的にどの市区町村でも同じですが、市区町村によっては上記の税率に0.5%ほど上乗せされていたり、均等割が5,500円〜6,600円だったりします。

住民税は市区町村により多少の違いはあるものの、全国どこに住んでいてもほぼ変わらないと考えて良いでしょう。

たまに「引っ越したら住民税が高い」なんて声を聞きますが、おそらく単純に所得が変わったことによる影響がほとんどではないでしょうか。

 

年の途中でいつ引っ越しても住民税には影響しませんし、「引越し先を考慮するほど、住民税は市区町村によって変わらない」と考えていただければと思います。

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今日はようやくM1チップのMacが届いたので開封を。
DTM、動画編集などにも使いたかったため、メモリを16G にカスタマイズしました。
明日は初期設定をする予定です。

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Seiji Aihara / 相原 征爾

Seiji Aihara / 相原 征爾

『独立は最強の解決法』という理念のもと、長期的な視野と絶妙なバランス感覚で人生を楽しむことをサポートする、ひとりビジネス専門税理士。ひとり社長。

得意な仕事はクラウド会計の導入・ペーパーレス化・経理業務効率化・各種シミュレーション・独立支援など。
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簿記がわからなくても、一から経理ができるようにお伝えします。
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著書 『知識・経験ゼロでも独立して人生を楽しむ方法』