しんどい税理士試験を乗り越えられた理由。しんどさを乗り越えた先にあるもの。
税理士試験はしんどいものです。
その税理士試験が終わったいま、
- なぜ税理士試験はしんどいのか
- 税理士試験を乗り越えられた理由
- 税理士試験で得たもの
について改めて考えてみました。
目次
税理士試験はしんどい
税理士試験はしんどかった
税理士試験は非常にしんどいものです。
どれくらい「しんどい」と感じるかは多少個人差があるとは思いますが、僕にとってその「しんどさ」の理由としては以下のようなものがありました。
- 5科目揃えるまでが長丁場(僕は9年かかりました)
- モチベーションの維持が難しい
- 試験が1年に1回しかない(ダメだったらまた1年)
- 合格発表までが4ヶ月と長すぎる
- 模範解答が公表されない、採点基準・合格基準が不明確
- 遊び、恋愛、趣味など色々なことを我慢しないといけない
- 試験を優先させるには、稼ぐことを我慢しなければならない(安月給でも仕事量が少ない事務所を選ぶ、残業しないなど)
- 試験問題が難しすぎる(基本的に時間内に終わらない。計算問題の合格最低ラインが10点くらいの年も)
- 科目によっては、試験委員によって傾向がガラリと変わる
- 試験時間が長い(僕はじっとしていることが苦手なので、総合問題の練習をするのが苦痛でした)
- 理論が覚えられない
- 試験勉強自体がつまらない、苦痛
- 自習室や模試の会場に行くとだいたいヘンな人・迷惑な人がいる(ブツブツ独り言、電卓がうるさい、貧乏ゆすりなど)
今思いつくものを挙げるとこんな感じです。
受験生当時だったらもっと色々思っていたかもしれません。
独立してそれなりに自由に過ごしている今から考えると、「良く踏ん張れたな」と自分でも思います。
受験勉強を始める前にこれらの大変さを知っていたら、もしかしたら税理士試験を受けていないかもしれません…。
一時期一緒に勉強していた予備校の受験生仲間と比べると、僕は一番官報合格まで時間がかかりました。(独立までは一番早かったですが笑)
時間がかかった理由を一言でいうなら、「税理士試験に向いていなかったから」。
まぁ、要領が悪い、努力が足りない、危機感が足りないとか、色々な言い方もできなくはないですが…。
他の人が税理士試験をどれくらいしんどいと思っていたかは知りようがありませんので(他人の心は読めないので)、比べることはできません。
それでも、僕は人一倍「税理士試験はしんどい」と感じていたように思います。
もちろん、恵まれた環境で勉強できていましたので、そういう意味では最も苦労していない部類に入ると思います。
ただ、税理士試験をしんどいと感じていたときは、
- 好きでもないことを
- 苦手なやり方で
頑張ろうとしていました。
今考えれば、結果が出ないのは当たり前です。
税理士試験に受からなかった理由
周りの僕より早く受かった友人を見ていて、税理士試験に受かりやすい人というのは、以下のいずれかの特徴があるように思います。
- 危機感が強い(「早く税理士にならなければ」という気持ちが強い)
- 勉強すること自体が好き、または、税法・会計など勉強分野が好き
- 言われたことを素直に、愚直にやれる
僕は、どちらかというのんびりとした性格で、いつもお尻に火がつくのが遅いです。(夏休みの宿題は最後にまとめてやるタイプ)
また、勉強がキライで、税理士試験の勉強は苦痛でしかありませんでした。
本を読んだり、好きな分野の勉強をするのは得意なのですが、いわゆる試験勉強・受験勉強・暗記の類が本当に苦手です。
税法自体もあまり面白いと思えず、税理士になった今も、ぶっちゃけあまり好きではありません。笑
- 音楽
- WEB
- WordPress
- デザイン
- マーケティング、ビジネス
- 効率化
などは、興味が尽きないので誰かに言われずともいくらでも勉強できます。
一方で、税法については税理士業で使うから勉強しているという感じです…。
飽きっぽい性格なので、「やらなければならない」とは分かっていても、同じ問題を何度も繰り返し解いて反復練習するというのも苦痛でした。
しんどい税理士試験を乗り越えられた理由
そんなダメダメな僕でも、最後まで税理士試験をやり遂げることができました。
その理由をひとつだけ挙げるとすれば、それは
「税理士試験に受かれば独立できる」
という事実があったからです。
もともと、何となく「将来は独立したい」と思い税理士試験の勉強を始めています。
しかしながら、当初はモチベーションが弱く、なかなか科目合格ができませんでした。
「ひとりで仕事したいなぁ」と思いつつ、「やっぱり税理士事務所は人を雇わないと無理かなぁ」と思っていたところ、本屋でたまたま手にとったのが井ノ上陽一さんの「ひとり税理士の仕事術」という本です。
この本を読み、「税理士ってひとりでも仕事できるんだ!」と、パッと道がひらけたような気持ちになったのを覚えています。
その後も科目合格に苦戦はしましたが、モチベーションが途切れることはありませんでした。
最後の科目を勉強していたときの職場は色々と思うことがあり、
「はやく受かってここから逃げ出したい」
「試験に受かれば独立というカードが手に入る」
と、やはり「独立」が強烈なエネルギーとなり、勉強を苦痛とも感じさせないまでに背中を押してくれていたのです。
税理士試験を通して得られたもの
税理士試験で失ったものは多いです。
一方で、税理士試験を通して得たもの、学んだものも多くあります。
中でも、一番大きなものは「しんどい税理士試験を乗り越えた」という経験だと思っています。
税理士試験が終わったのが2018年の12月。
この記事を書いている現在で3年しか経っていませんが、試験が終わってから現在までで大変だったこと、落ち込んだことと言えば、以下のようなものがあります。
- 難易度の高い案件をひとりでこなさなければならなかった(勤務時代)
- 嫌なお客様の対応(勤務時代)
- とある大きなミスをした(割と最近)
- 実家の愛犬が亡くなった(2020年)
- 気になる女の子に振り向いてもらえない(いつも)
- 鼻中隔湾曲症の手術・入院(2020年)
- 時間をかけて書いたKindle本の報酬が振り込まれない(今年)
- それなりに検索も意識して毎日一生懸命記事を書いているのに、ブログのアクセスが上がらない(調べると記事がインデックスされていなかった)(今年)
自分で書いていても思いましたが、大したことないですね。笑
まだ30代で人生経験も浅いですが、税理士試験よりしんどかったことは今のところないです。
今後起こりうることで、「しんどいだろうな」といま想像がつくのは
- 家族や大切な人の死
- 何か大きな病気や怪我をしてしまう
- 独立を続けられないくらいお金がピンチになること
くらいでしょうか。
受験生時代の友人には、「試験より仕事の方がしんどい」という方もいます。
一方、僕にとっては税理士試験の方が圧倒的にしんどかったです。
もちろん、しんどさの種類も違いますが、多くの事柄は税理士試験ほど長く続きません。
税理士試験ほど運に左右されることも少なく、正しいやり方で継続すれば結果が出るものの方が多いと感じています。
税理士試験のしんどさを通ってきた身からすると、自分の身に降りかかる大抵のことは「大したことないな」と思えるようになっています。
(そのしんどさを忘れないために、「やらないことリスト」に「税理士試験のしんどさを忘れない」と書いて毎朝見ています)
「税理士試験がものすごくしんどい」と感じる方は、税理士試験が終わった後、他のことが「へっちゃら」になる可能性はあります。
もちろん、税理士試験をやめ、別の道に進むのもありです。
それでも、税理士試験を乗り越えた先には、そういう「光」もあるのだと、頭の片隅にでも置いていただけたら嬉しいです。
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Postscript執筆後記
今日は、税理士試験の合格発表日。合格された方、おめでとうございます!
僕が税理士試験最後の年の発表日は、仕事でしたので帰ってからネットで見る予定でした。
ところが、午前中に予備校の先生から「これってもしかして相原くん?」というメールがきており、思わぬ形で合格を知ることに…。
まぁどんな形であっても、合格は嬉しいものです。
Something New一日一新
解散申告書の送信とある問い合わせ