独立後、安易に人を雇う前に考えておきたいこと。
独立して仕事量が多くなってくると、「スタッフを雇いたい」と思うこともあるでしょう。
ただ、人を雇う前に考えておきたいこともあります。
目次
人を雇うメリット
人を雇うことによるメリットのひとつは、仕事を任せられるということです。
細々した仕事、簡単な仕事、自分でなくてもできるような仕事や自分ではやりたくない仕事はスタッフに任せるということができます。
その方が、自分は営業やお客様対応、やりたい仕事に集中できます。
一般的には、人をどんどん雇って拡大していく方が売上も伸びていくことが多いでしょう。
製品開発など、多くの人々が協力しなければできない仕事も沢山あります。
そのようなビジネスでは、やはり分業を徹底し、個々の業務は専門的知識・技術のあるスタッフに任せた方が効率的です。
人を雇うデメリット
とはいえ、人を雇うのはそれなりにデメリットもあります。
金銭的コスト
スタッフを雇うデメリットのひとつは、金銭的コストがかかるということです。
まずは、給料。
アルバイトであったとしても、月に数万〜十数万、正社員なら20万円以上出ていってしまいます。
そして、給料だけではなく社会保険の負担もあります。
その社会保険の加入手続きや、給与計算を社会保険労務士など外部に委託する場合は、さらにお金がかかります。
社長が自分でやるとしても、計算や手続き、振込の手間などが発生します。
採用に際し、エージェントに登録し広告を出す場合は月に数万円以上かかります。
成功報酬型の場合、想定年数のだいたい1/3程度手数料がかかるのが普通です。
人を雇うことで、これらのコストをまかなえるだけの売上が伸ばせるのであれば良いと思いますが、採用を考えるときはこれらのコストは十分に認識しておく必要があるでしょう。
教育コスト
人を雇ったらそれで終わりではなく、仕事を教えるという手間もあります。
たとえ業界経験者やすでに専門的スキルがあるスタッフであっても、
- 社内独自のルール
- お客様特有の事柄
などは、説明して慣れてもらう必要があります。
「名選手=名コーチとは限らない」と言われたりしますが、自分ができるからといって、上手く教えられるかどうかはまた別の問題です。
上手く教えられない、採用したスタッフのできが悪いことでストレスを抱えてしまう可能性もあります。(これは雇ってみないとわからないことではありますが)
退職のリスク
そして、雇うということは、常にそのスタッフが辞めてしまう可能性は意識しておかなければなりません。
そもそも、雇う側と雇われる側というのは立場が逆で、利害関係は一致しません。
「こういう仕事がしたい」
「こういうサービス・製品を売りたい」
「もっと世の中をこうしたい」
という点で同じ方向を向いていると思われるかもしれませんが、他人が何を考えているかというのはわからないものです。
雇う側としては、できるだけ安い給料で良い仕事(沢山の成果)を出してもらった方が嬉しいですが、雇われる側はできるだけ楽をしつつ沢山お金がもらえた方がいいわけです。
「関係が上手くいっている」と思いきや、スタッフは実はこっそり転職活動をしている可能性も多いにあります。
もしスタッフを雇うのであれば、それなりの覚悟が必要です。
万が一辞めてしまっても問題ないように、常に準備をしておく必要はあるでしょう。
人を雇わなくて済むには
「そろそろスタッフを雇おうかな」という気持ちが出てきたら、まずは次のようなことを考えてみてはいかがでしょうか。
その仕事をなくせないか
スタッフを雇って任せたい仕事が単純作業や雑務、自分がやりたくない仕事であることもあるでしょう。
そのような仕事は、誰かに頼む前にまずなくせないか考えてみます。
「何となく惰性でやっているけど、実はやらなくても問題ない」
「お客様としてもあまりメリットがない、別の方法でも問題ない」
といったこともあるはずです。
任せようと思っていた仕事をなくすことができれば、スタッフを雇わなくて済みます。
「自分が1から10までやりたいこと」
「自分にしかできないこと」
だけを仕事にしていくことを考えていくのも効果があります。
自分でできないか
今ある仕事を、人を雇わずに自分でできないかどうかも考えてみたいところです。
「自分でやるのは面倒だから、任せたい」と思っている場合、単純にもっと効率的なやり方を知らないだけの可能性もあります。
「調べるのも面倒」と思われるかもしれませんが、
求人広告を出す→面接をする→採用する→諸々の手続き→仕事を教える
といった過程に比べれば、はるかに簡単で手間もかからないことが多いです。
なにより、自分で調べてやってみれば勉強になりますし、次からは楽に終わらせることができます。
たとえば、僕はWebゆうびんというサービスを使って郵送を効率化しています。
ExcelやRPAを使い、多くの税理士事務所がスタッフにまかせているような仕事を自動化しています。
これらのおかげで、独立以来人を雇わずに済んでいますし、今後も雇うつもりはありません。
少しづつネットや本で勉強したり、誰かに聞いたり教わることで習得すれば、人を雇うより少ないコストで済むことは多いです。
外注する
それでも、「どうしても必要だけれども、自分ではできない、誰かにやってもらいたい」という仕事もあります。
そのような仕事は、人を雇うのではなく外注するという手があります。
外注、業務委託であれば、社会保険の負担はありません。
- 病気や廃業などで仕事を頼めなくなるリスク
- 契約の手間や、相手が一定のフリーランスの場合の源泉徴収等の手間
などはありますが、退職の心配は不要です。
たとえば、モノを作って売る場合も、企画や案、監修は自分でやり、実際の制作は業者にお願いするということもできます。
WEB制作であれば、営業とデザインは自分がやるけれど、バックエンドは外部のエンジニアに頼むということも可能です。
もちろん、実質的に自社の従業員と同じなのに、形だけ外注にするというのはいけませんが、従業員を雇う前に外注で何とかならないか考えてみた方が良いでしょう。
一度スタッフを雇ってしまうと、再びひとりに戻るのもそれなりに大変なはずです。
これらを検討後、初めてスタッフを雇うことにしても決して遅くはないと考えています。
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Postscript執筆後記
昨日は決算、お客様の融資関係の仕事を。普段家でもうどんは茹でていますが、近所のうどん屋が美味しく、たまに行きます。
昨日は1,400円の天ぷらうどんを食べたのですが、2,000円でも良いと思える美味しさでした。
Something New一日一新
味噌きゅうり、味噌キャベツ近所のうどん屋で天ぷらうどん