フリーランス(個人事業主)が一定の売上をした場合、相手方に源泉税を引いて払ってもらわないといけない場合があります。

源泉税がある場合の売上を、会計ソフトへどのように入れるか書いてみました。

目次

請求書を確認

まずは、請求書を見てみましょう。

源泉税ありの請求書

たとえば、このような請求書の場合、

  • 小計(税抜)+消費税66,000円が売上の総額(税込み)
  • 10.21%分の6,126円が相手に引いてもらう源泉税
  • 差引合計59,874円が振込入金額

となります。

ちなみに、源泉税の計算は税抜売上に10.21%をかける方法と、税込売上に10.21%をかける方法がありますが、どっちでも大丈夫です。(厳密にいうと細かい要件はありますが)

税抜の場合が多いですが、どちらでやっても、確定申告で正しい税額に精算されるので問題ありません。

仕訳で入れる場合

会計ソフトに仕訳の形式で入れる場合を考えてみます。

仮に、今回の売上が2020年12月25日のサービスにかかるもので、翌年1月に預金に入金されるものとする場合、

12/25

(借方)売掛金 66,000 (貸方)売上 66,000

と入力します。

入れる数値は、税込経理・税抜経理にかかわらず、税込みです。(消費税の免税事業者の場合は、会計ソフトの設定で「免税事業者」または「税込経理」を選んでおきましょう。)

 

1月になって実際に入金されたら、次のように入力します。

1/20 

(借方)普通預金 66,000 (貸方)売掛金 66,000

(借方)仮払源泉税 6,126 (貸方)普通預金 6,126

「振替伝票」という形にして1つの仕訳にすることもできますが、自分で入力するならこのように2行にしてしまった方が簡単です。

ちなみに、「仮払源泉税」という科目はデフォルトでは会計ソフトに入っていないかと思います。

「科目設定」のようなところで自分で作成する必要があります。

 

実際にマネーフォーワードに入力してみると、こんな感じです。

マネーフォーワードに売上、源泉税の仕訳を入れてみた

次のような形でも問題ありません。

1/20 

(借方)普通預金 59,874 (貸方)売掛金 59,874

(借方)仮払源泉税 6,126 (貸方)売掛金 6,126

 

預金は、会計ソフトに連携している方も多いと思います。

その場合、自動で以下のような仕訳が入ってきます。

1/20 

(借方)普通預金 59,874 (貸方)売掛金 59,874

 

これだけだと、源泉の部分が反映されていないので、

(借方)仮払源泉税 6,126 (貸方)売掛金 6,126

という仕訳だけ自分で入力する必要があります。(マネーフォーワードの場合、該当の仕訳の右の方にある「詳細」をクリックすると、仕訳の行を追加できます。)

 

ちなみに、「仮払源泉税」の1年分の合計額は、確定申告の際、確定申告書「第一表」の右側「源泉徴収税額㊹」というところにいれます。

普段から会計ソフトに入れていれば、確定申告のときにも楽です。

 

全額が還付となる場合、翌年税金が返ってきたときは、

(事業用の口座以外に入る場合)

事業主貸 / 仮払源泉税(前年の全額)

(事業用の口座に入金される場合)

普通預金 / 仮払源泉税(前年の全額)

という仕訳を切ります。

 

一部が還付となる場合、入金されたときに、

(事業用の口座以外に入る場合)

事業主貸 / 仮払源泉税(前年の全額)

(事業用の口座に入金される場合)

普通預金 / 仮払源泉税(還付額)

事業主貸 / 仮払源泉税(差額。前年の残高をゼロにします)

 

納税額が出る場合には、払ったときに、

(事業用の口座以外から払う場合)

事業主貸 / 仮払源泉税(前年の全額)

(事業用の口座から払う場合)

事業主貸 / 仮払源泉税(前年の全額)

事業主貸 / 普通預金(確定申告で払う税金の金額)

という仕訳を入力します。

仕訳以外の形で入力する場合

仕訳ではなく、簿記がわからなくても入力できる「かんたん取引入力」のような機能を使って入れている方もいらっしゃるかもしれません。

たとえば、弥生会計オンラインでは、売上を入れると自動的に源泉税も計算される機能があります。

もちろん、これを使って入力しても構わないのですが、税込み売上金額、源泉税の金額が請求書と合っているか確認する必要があります。

仕訳が入ったら、仕訳帳・残高試算表などで実際の仕訳が上記のようになっているか確認してみてください。

もし合っていない場合、

  • 源泉税の計算設定(税込みをもとに計算するか、税抜きをもとに計算するか)が請求書と合っていない
  • 端数処理の問題で1円違う

といった原因が考えられます。

会計ソフトの設定を見直すか、請求書のExcelの算式又は請求書ソフトの設定を見直す必要があるかと思います。

 

売上の入金は預金を通すことが多いと思いますので、預金は会計ソフトに連携してしまい、源泉を引かれている分だけその都度仕訳を修正していくのがシンプルです。

源泉が引かれている入金が多い場合、

(借方)仮払源泉税 6,126 (貸方)売掛金 6,126

の仕訳だけExcelに打ってまとめてインポートするのも手です。

 

会計ソフトへの入力方法、効率的な経理のやり方などは税務コンサルティングでもお伝えしています。

 

 

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Postscript執筆後記

今日は研修と、手続き関係を中心に。
謎の体調不良であまり仕事が進みませんでした。。
フリーランスは意識してしっかり休むようにしないとダメですね…

Something New一日一新

e-taxソフトでとある送信
とある申込み

\本を出版しました/

Seiji Aihara / 相原 征爾

Seiji Aihara / 相原 征爾

『独立は最強の解決法』という理念のもと、長期的な視野と絶妙なバランス感覚で人生を楽しむことをサポートする、ひとりビジネス専門税理士。ひとり社長。

得意な仕事はクラウド会計の導入・ペーパーレス化・経理業務効率化・各種シミュレーション・独立支援など。
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著書 『知識・経験ゼロでも独立して人生を楽しむ方法』