フリーランス・ひとり社長におすすめの節税、小規模企業共済。
節税にもなり、いざというときにお金を借りることもできる小規模企業共済。
フリーランス、ひとり社長であればぜひ入っておきましょう。
目次
最大で年間84万円が所得からマイナスできる
小規模企業共済とは、簡単にいうとフリーランスや小さな会社の役員のための、退職金の積立て制度です。
月に7万まで掛けることができ、その年に払った分が全額(最大年間84万円)確定申告や年末調整のときに所得から控除できます。(社会保険料控除と同じようなイメージ)
掛け金は月1,000円〜7万円まで自由に決めることができ、500円単位で途中で変更もできます。
前納すると、少しですが前納減額金というものがもらえます。(一定額以上になるとまとめて口座振込)
注意点は、原則として事業を廃業・退職したときしか受け取れないこと。
1年未満しか掛け金を払っていないと、受け取れない金額もあります。
掛け金納付期間が20年未満で解約すると、もらえる金額が支払った金額を下回ってしまいます。
少額からでも良いので、早めに入っておくのがおすすめです。
退職時に受け取れば、退職所得扱い又は公的年金の雑所得と同じ扱いになり、税金が全くかからないか、ほとんどかからない状態で受け取ることができます。
退職所得の計算方法はこちら。
年間で84万円を払った場合、節税額は最低で所得税、住民税をあわせて15%、年間で13万円ほどになります。
節税額は所得によって変わり、所得が上がれば上がるほど節税効果は大きくなります。
(個人事業主の場合は、国民健康保険の保険料も安くなります)
注意点は、最低でも所得が84万円以上ないと節税効果はなくなってしまうことです。(年間84万円掛ける場合)
節税額はこちらで試算できます。
貸付を受けられる
小規模企業共済のメリットは、税金が安くなるだけでなくいざというときにお金を借りることもできます。
借りることができる金額は、掛け金の納付月数により、掛け金納付額の7〜9割の範囲内で10万〜2,000万円以内となります。
いくら借りることができるかどうかは、4月と10月に送られてくる「貸付限度額のお知らせ」という書類で確認できます。
借入期間は通常の場合100万以下の場合半年か1年、100万以上の場合は金額により半年〜5年間です。
返済は、借入期間が半年or1年の場合、期限一括償還、借入期間が2年以上の場合は6ヶ月ごとの元金均等返済です。
利率は1.5%ですので、かなり低く抑えられています。(一時的な売上減少で資金繰りが厳しいときなど、利率が0.9%になる制度もあります)
加入手続き
銀行の窓口に行って、「小規模企業共済に入りたい」というと一番早いかと思います。
(銀行口座の支店でなくても大丈夫です。あくまで加入するのは「個人」になりますので、
ひとり社長の場合も個人口座の方が良いでしょう。)
フリーランスの場合は確定申告書の控え(開業したばかりで、まだ確定申告書がない場合は開業届で可)、ひとり社長の場合は会社の謄本(履歴事項全部証明書。原本)が必要です。
印鑑(個人印、銀行届出印、法人の場合は実印)、書きやすいボールペンも持っていけばその場で書いて提出できます。(確定申告書や開業届を印刷しないといけないのが面倒ですが…)
加入資格に問題がなく、申し込みが完了すると1ヶ月程度で通知が送られてきます。
「今年は利益が出ちゃうなぁ」というときに年末に一括で84万円を払うこともできます。
ただし、次の年も12月に84万円が引き落とされてしまいますので、金額を変えたい場合は翌年に手続きを忘れないようにしましょう。
小規模企業共済を払ったときの仕訳
フリーランスが事業用口座で小規模企業共済を払ったときは、次のような仕訳を切ります。
事業主貸 / 普通預金
事業の経費ではなく、あくまで所得控除ですので事業主勘定を使います。
窓口で現金で払った場合や、プライベートの口座から払った場合は会計ソフトに入力する必要はありません。(記録はした方が良いですが)
ちなみに、小規模企業共済は法人成りした場合も掛け金の支払い月・支払金額を個人と法人で通算することができます。
フリーランスやひとり社長の場合、事務所もなく人も雇っていなければ経費を捻出するのもなかなか大変です。(仕入れ、在庫などがないビジネスの場合)
本当に必要でないものを買ったり、グレーな経費を増やすくらいであれば、小規模企業共済に入って節税する方が良いでしょう。
独立当初で、資金に余裕がなければ少額から掛けておくのがおすすめです。
僕も入っています。
※当記事の内容は執筆時現在の法令等に基づいております。改正や個別の案件等には対応していない場合がございますので、ご注意ください。
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Postscript執筆後記
昨日はフリーランスの友人、ベンチャー企業で働く友人と情報交換。色々と刺激を受けました。
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