税理士試験不合格体験記。なぜ、あのとき落ちたのか?
難易度の高い税理士試験。
合格した年もあれば、不合格の年もありました。
なぜ、あの年は落ちたのか。
振り返ってみたいと思います。
目次
合格は4年、不合格は5年
僕が、官報合格までにかかった年数は9年。
そのうち、1科目でも合格科目があったのが4年。残りの5年は、1科目も合格がない年でした。
書くのもかっこ悪いのですが、受験歴は以下の通りです。
- 1年目 財表× 簿記×
- 2年目 財表× 簿記×
- 3年目 財表○ 法人×
- 4年目 法人× 消費× 簿記×
- 5年目 法人× 消費×
- 6年目 法人× 消費○
- 7年目 法人○ 簿記×
- 8年目 簿記× 国徴×
- 9年目 簿記○ 国徴○
各科目に要した年数をまとめるとこのようになります。
- 財表 3年
- 簿記 6年
- 法人 5年
- 消費 3年
- 国徴 2年
残念ながら、初学で1発で受かった科目はありませんでした。
簿記論は、授業を受けていない年も「とりあえず受験はする」と決めていました。
ですので、実際勉強していた年数は6年なのですが、合格まで9回受験していることになります。(そういう意味では9年かかっています)
あのとき落ちた理由
今になって振り返ってみると、以下のような理由が考えられます。
同時受験科目が多すぎた
学生だったり、受験専念だったりすると同時に複数科目を受験されている方も多いでしょう。
そのために専念しているとも言えますし。
僕も大学卒業後、初めて専念したときに3科目授業を受けていたことがありました。
「専念だし、これくらいいけるっしょ」
と軽く考えていたのです。
しかし、やはりそんなに税理士試験は甘くなく。
この年は上記の通りすべて不合格でした。
「税法2科目以上+会計科目」の同時受験は、計算はともかく、理論がかなりきつくなります。
今思えばかなり厳しかったかなと。
(ネットで税法3科目同時合格のインタビューを見たことがありますが、かなり特殊なケースかと)
もし3科目受験するなら、会計2科目+税法1科目(暗記量が少ないもの)がおすすめかと思います。
簿記と財表はかなり関連性が高いので、むしろ同時に勉強した方が効率が良いとも言えます。(もちろん楽ではないですが)
3科目同時受験で2科目以上合格されている方を見ていても、このパターンが多いように思います。
試験の優先順位が低かった
税理士試験の勉強を始めた当初は、正直試験をなめていました。
まだ受験したことがなかったので、どれくらい勉強しなければ受からないか、わからなかったということもあります。
試験勉強を始めたのはまだ大学生のときです。
大学が楽しく、サークルや恋愛が中心の生活でした。
完全に「なんちゃって受験生」でした。
専念1年目のときも、危機感が足りず、「勉強しないで遊びたいなぁ」と思っていた時期もありました。
当たり前ですが、やはり気持ちが伴わない年は受かっていません。
インプット不足
前述の試験の優先順位を上げることができなかった年は、そもそものインプット量が足りていませんでした。
基本的な問題でもミスが多かったり、理論もAランクさえ全部覚えきれていなかったり。
これでは勝負にもなりません。
理論のランクに頼りすぎていた
法人4年目のときは、予備校の予想ではBランク、Cランクだった問題が出ました。
完全に手薄になっていた論点です。
前年にがっつり出た理論などは捨てても平気な場合があるかもしれませんが、やはり何もやらないのはまずいなと痛感しました。
優先順位をつけるのは大事ですが、「何も書けない」ということはないように、ある程度満遍なく触れておくのは大事です。
アウトプット不足
成績が良かったのに落ちた年は、だいたいアウトプット不足が原因です。
- 簡単なところから手を付ける
- 難しい問題に手を出さない
- 基本問題で絶対にミスをしない
という徹底した練習が不足していたなと。
逆に、財表3年目、簿記論6年目はこれがきちんとできていたから受かったのだと思います。
シミュレーション不足
本試験では、科目によっては、今まで見たことのないようなびっくりするような問題が出ます。
こういう問題が出たときに冷静に対処できるかどうか。
理論が全くわからない、または、計算が全くできない、といったときに、冷静に取れる箇所を探せるかどうか。
不合格の年は、予備校の問題に慣れすぎてしまい、このような本試験特有の状況に対するシミュレーションが欠けていたと思います。
気持ちがブレていた
8年目のときは、モチベーションが下がってしまった最後の年でした。
受験専念という身なのにブログを始めてしまい、ブログのカスタマイズなどにも熱中してしまった年でした。
勉強はそれなりにやっており、成績も良かったのですが、「税理士になること」への気持ちが揺れていたのも事実です。
この頃は、ネットで色々なプロブロガーやフリーランスなどの情報が良くも悪くも入ってきており、
「本当に税理士になりたいのか?」
「税理士じゃなくても生きていけるのでは?」
など、色んな迷いや気持ちのブレが生じてしまっていました。
幸い、9年目(税理士試験最後の年)は、
「何が何でも受からなければいけない」
という気持ちを取り戻すことができました。
ブレが全くなかったので、働きながら2科目同時合格ができたのだと思います。
失敗を成功に活かす
受験生だった当時は、「こんなに勉強しているのになんで受からないんだ」と、悲嘆に暮れていたときもあります。
しかし、こうして振り返ってみると、やはり合格にも不合格にも明確な理由があると感じます。
無事5科目合格した今だからこそ、冷静に振り返ることができますが、受験生のときにもきちんと分析をしていればと、少し後悔もしています。
人は嫌なこと、悲しいこと、辛いことから目を背けたくなるものですし、良くも悪くもマイナスのことは忘れるようにできていると思います。
「不合格」という事実と向き合うのは辛く、簡単なことではありません。
多くの人がやらないからこそ、きちんと敗因を分析すれば、合格までにかかる時間を短縮できるのではと思います。
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Postscript執筆後記
今日は法務局でとある手続きを。その場で少し待たされて書類をチェックしてもらえるのかと思いきや、「不備がなければ連絡なしでそのまま完了します」とのこと。
たぶん大丈夫でしょうが、無事終わるまでドキドキです。
Something New一日一新
とある手続き師匠とオンラインで会話