TaskChute Cloudをやめて、Excelでのタスク管理に移行しました。
ここ数年間、タスク管理にはTaskChute Cloudを愛用していましたが、Excelで自作したタスク管理ソフトに最近移行しました。
目次
TaskChute Cloudをやめた理由
独立して以来、タスク管理ソフトとしてTaskChute Cloudをずっと使ってきました。
そんなTaskChute Cloudを使うのをやめたのは、主に2つの理由からです。
旧TaskChute Cloudがサービス終了
ひとつは、TaskChute Cloud1(旧TaskChute Cloud)が使えなくなったこと。
正確には、この記事を書いている現在はまだ使えますが、2025年1月19日でサービス終了することが発表されています。
僕はTaskChute Cloudはかなりシンプルな使い方をしていたので、旧TaskChute Cloudの機能についてはあまり不満はありませんでした。
特にルーチン機能は重宝していて、完了日から起算して一定日ごとにタスクが自動生成されるのはありがたかったです。
おかげで、Googleカレンダーなど他のリマインダーを使うことなく、TaskChute Cloudだけで仕事や日常生活全般のタスク管理ができていました。
しかし、去年TaskChute Cloud2がリリースされ、旧TaskChute Cloudはサービス終了することが決まりました。
旧TaskChute Cloudが開発終了になってもまだ使い続けることができたとしたら、おそらくお金を払って旧TaskChute Cloudを使い続けていたと思います。
僕以外にも「旧TaskChute Cloudで十分」と考えていた方は少なからずいたと思いますが、そんなユーザーたちも強制的に2に移行しなければならない点に、正直「うーん…」と思ってしまいました。
おまけに、2になったことで料金が年間4,860円→12,980円に値上げ。
今までが安かったのでしょうが、今後毎年払うとなると高いなぁと。
TaskChute Cloud2が使いづらい
さらに、実際にTaskChute Cloud2を使ってみたところ、これがめちゃくちゃ使いづらい…。(あくまで僕にとっては、です)
タスクの追加が上手くできなかったり、なぜか割り当てられたショートカットキーを押しても該当の挙動が起きなかったり…。
インターフェイスも旧TaskChute Cloudとはだいぶ変わってしまい、秒単位の入力など、僕にとっては不要な機能も増えました。
とはいえ、TaskChute Cloudのおかげでタスク管理の習慣がつき、日々自分で計画したタスクがきちんと実行できているという前進感、安心感が得られていました。
その点で、TaskChute Cloudには大変感謝しています。
このタスクシュートの考え方にもとづくタスク管理は今後も続けていきたい。
そこで、自分で自由に使い方をカスタマイズするために、日々使い慣れていて、操作性にも優れているExcelでタスク管理ソフトを作ることにしたわけです。
Excelのタスク管理ソフトで実装した機能
自作のタスク管理ソフトは、現在以下のような画面です。
自作のタスク管理ソフトで実装している機能
この記事を書いている現在で、主に以下のような機能を実装しています。
- タスク、見積り時間を追加していくと、何時にすべてのタスクが終わるか分かる
- 完了したタスクと、残っているタスクの割合が一本の棒グラフでわかる(タスクが終了するごとに自動更新)
- 完了したタスクについて、各タスクの種類ごと(インプット、発信、生活、〇〇業…など)の所要時間合計が棒グラフでわかる(タスクが終了するごとに自動更新)
- タスクを追加すると、自動で背景色、算式が設定される(Excelのテーブルのような挙動)
- 開始時刻を入力した時点で、自動でタスクが日付順、開始時間順で並び替えられる
- 開始時刻を入力した時点で、その行に「now」と表示され、現在実行中のタスクがどれかわかりやすい
- 現在実行中のタスクについて、経過時間と残り時間がリアルタイムで更新される
- 終了時刻を入力すると、その行に「done!」と表示され、どのタスクが終わったかがわかりやすくなるとともに、達成感も得やすい
- 一定のタイミングで繰り返すタスク(毎日、平日のみ、土日のみ、毎月◯日、月曜のみ…など。TaskChute Cloudでいうところの「ルーチン」。ここでも、以下「ルーチン」と呼ぶことにします)を、ショートカットキーで毎日自動追加
- ショートカットキーで現在実行中のタスクにジャンプ
- ショートカットキーで選択したタスクを削除(まとめて選択も可)
- ショートカットキーで直前行のタスクをコピーして現在行に追加挿入
- ショートカットキーで開始時刻欄に直前に終了したタスクの終了時間を入力
- ショートカットキーで見積り時間通りの終了時刻を入力
- ショートカットキーで今日の日付をまとめて入力(まとめて今日に繰越)
- ショートカットキーで翌日の日付をまとめて入力(まとめて翌日に繰越)
- Macでも動く(Macのマクロで作りました)
旧TaskChute Cloudにあった“中断”と“完了日から起算して一定日ごとに繰り返すルーチン”についてはまだ実装していないのですが、それ以外で僕が旧TaskChute Cloudで使っていた機能、「あるといいな」と思った機能についてはすでに備えています。
これらの機能や挙動は、Excelの算式かマクロ(VBA)で作りました。
Excelで作って良かったこと
実際にExcelでタスク管理ソフトを作ってみて良かったことのひとつは、動作が軽いということ。
TaskChute Cloudはブラウザで使うものなので、ネット環境に依存する分、動作がもっさりすることがあります。
特に、最近の旧TaskChute Cloudは開発が終了していることもあり、ページの再読み込みに時間がかかったり、翌日や前日に移動するときにかなり動作が遅かったりしました。
これが、Excelならサクサク動きます。
ネットに接続していなくても使えるのもメリットです。
また、自分が使いやすいように、かつ自分にとって必要な機能だけ実装しているのでシンプルで使いやすいです。
ほしい機能は追加でつければいいし、使っていくなかで「いらないな」と思う機能があれば、それはその都度削除すればいい。
デザインも自分好みにすることができます。
僕はデザインのことを考えているとどんどん元気になっていくような、デザイン大好き人間です。
毎日見るタスク管理ソフトを自分好みの見た目にすることで、より楽しく使うことができます。
使いながら、日々自分好みにカスタマイズできるのは、ソフトを自作する大きなメリットです。
一方で、パソコンでしか使えないのはデメリットではあります。
ただ、僕の場合は基本的にいつもパソコンを持ち歩いていますし、今までもスマホ版のTaskChute Cloudはタスクの確認時に使用するだけでした。
スマホから入力することはほとんどなかったため、あまり問題ありません。
Excelでタスク管理ソフトをどう作ったか
今回のタスク管理ソフトはChatGPTとExcelマクロで作りました。
Excelは仕事でもプライベートでもほぼ毎日使っているものの、実を言うとマクロについてはほとんど使って来ておらず、経験も知識も足りない状態でした。
そこで、Excelマクロのコードの書き方をChatGPTに逐一訊きながら作ることにしたわけです。
マクロのコードを一から書けなくても、ChatGPTに「Excelマクロ。〜な動きにしたい」とお願いすれば、ChatGPTがコードを書いてくれます。
そのコードをVBAのエディタに貼り付ければ、Excelマクロ初心者でも何とかマクロを動かすことができます。
ちなみに、恥ずかしながらChatGPTについても今までほとんど使ったことがありませんでした。
そんな僕でもChatGPTとExcelマクロを使って一からソフトを作ることができたのは、こちらの本のおかげです。
ChatGPTの使い方から、各プログラミング言語の基礎的な書き方、コードをChatGPTに書いてもらうときのポイントなどがわかりやすく書かれています。
「税理士のための〜」とついていますが、税理士ではなくてもChatGPTを使ってExcelマクロ、GAS、Pythonなどのプログラミングを学んでみたいすべての方におすすめできます。
具体的なコードの書き方はChatGPTや上記の本に譲るとして、これからChatGPTでソフトを自作してみたい方へ向けて、コツを簡単にまとめておきます。
エラーが出たら、エラーコード番号や内容を貼り付ける
コードをChatGPTに書いてもらったとしても、一発で上手く動くとは限りません。
むしろ、最初は上手く動かないことの方が多いです。
そんなときは、エラーメッセージやエディタでハイライトされている箇所をそのままChatGPTに貼り付けます。
そうすると、ChatGPTが改善策や修正版のコードを提示してくれます。
実装したい機能をChatGPTに提示する→ChatGPTが書いてくれたコードをエディタに貼り付ける→エラーが出る→エラーメッセージをChatGPTにコピペ→修正版コードをエディタに貼り付ける→またマクロを動かしてみる…
といったことの繰り返しになります。
ちなみに、新しいコードを貼り付ける前に、Excelブック自体をコピーしてバックアップをとっておくと安全です。
GPT-4o へのアクセス制限がかかったら、その日はもう開発をやめる
ChatGPTには複数のモデルがありますが、この記事を書いている現在では、無料版だと一定のメッセージ数に達するとGPT-4o の使用が制限されてしまいます。
制限がかかってしまうと、その後数時間経たなければGPT-4oを再び使うことができません。
その間もChatGPT自体は使うことができますが、下位のChatGPT(簡単に言ってしまうと、ちょっと仕事ができないChatGPT)がでてきてしまいます。
そのバージョンの場合、提案してくるコードの一部が抜けていたり、GPT-4oに比べるといまいちな回答をしてくることが多いです。
そのため、アクセス制限がかかったらもうその日は潔く開発をやめてしまい、翌日に続きをやる方が効率的だと思います。
コードが長くなってきたら別管理する
色んな機能を実装していくと、マクロのコードがどんどん複雑になっていきます。
そうなると、コードが見づらくなるだけでなく、ChatGPTに依頼するときもコピペが大変になったり、ChatGPT側からの回答もコードの抜けが起きやすくなります。
そこで、ある程度コードが長くなってきたら、「このマクロは別管理して、こちらの全体のマクロの方で呼び出す形にしたい」とChatGPTにお願いすれば、そのようなコードを書いてくれます。
実際に、途中から個々の挙動をそれぞれ別のコードで管理するようにしてからエラーも減り、格段にカスタマイズしやすくなりました。
ちなみに、Excelマクロ初心者の僕の場合、毎日数分〜数時間作業して2ヶ月くらいかかっています。
作るのは決して簡単ではありません。(改めてTaskChute Cloudのすごさを感じます)
それでも、マクロやChatGPT自体の勉強になりますし、自分にとって使いやすいソフトで毎日快適にタスク管理をすることができます。
費用的にも、仮に今後40年使い続けるとすれば、トータルで50万円以上の節約にもなります。
時間はかかっても、挑戦してみる価値はあります。
これから自分で作ってみたい方は、ひとまずTaskChute Cloud2を使いながら、毎日少しずつ作り、最終的に自作のタスク管理ソフトに移行すればいいでしょう。
もしご要望があれば、僕のExcelファイルは個別コンサルティングでご提供しようかと思います。
サービスメニュー
Postscript執筆後記
最近は、お客様の法定調書、自分の確定申告などを。音楽の方はEPをリリース、イベントライブ出演など。
イベントライブはカフェでの個人ライブ×セッション形式で、ご飯も美味しかったです。
またご依頼があれば出演させていただきたいと思います。
Something New一日一新
とあるイベント出演ミニアルバムリリース
タスク管理Excelを自作した
近所のカフェで同僚と遭遇
Cafe Line "Music Rooms & Gallery