「時間がない」を解消するには時間を記録してみる。Excel時間簿のすすめ。
時間を上手く使うための第一歩として、まずは時間を記録してみるのがおすすめです。
目次
「時間がない」のはかかる時間を把握していないから
「時間がない。」
現代人なら、誰もが持つ悩みではないでしょうか。
「時間がない」というのは、やるべきことが終わらない、やりたいことができないという状態です。
一日は24時間しかありませんので、「時間がない」状態から脱出するには、「やるべきこと」「やりたいこと」をこの24時間に上手く割り振っていくしかありません。(実際には、睡眠・生活の時間を除いた10〜12時間程度)
ところが、この“割り振る”ということが非常に難しく、多くの方が「時間がない」状態から脱出できずにいます。
なぜ割り振れないのかというと、「何にどれくらいの時間がかかるかきちんと把握していないこと」が理由として考えられます。
「5分で終わると思ったら30分もかかった」
「30分後に終わるはずだったのに、割り込みが入って2時間も経ってしまった」
ということは良くあるのではないでしょうか。
たとえば、9時〜12時の3時間で、以下の仕事をこなしたいとします。
- メール返信 30分
- 会議 1時間
- 経費精算、日報などの雑務 30分
- 企画書作成 1時間
会議の時間は動かせませんので、実質2時間が自由です。
ここで、企画書が1時間で終わらなかったり、上司に話しかけられたり、取引先から電話がかかってきてしまった場合、おそらく2時間をオーバーしてしまいます。
これは、
- 企画書作成にかかる時間の見積もりが甘い
- 割り込みの時間を想定していない
ことが原因です。
タスクを割り振るには時間を正しく見積もる
上記のようなことを防ぐには、できるだけ正確にそれぞれのタスクの時間を見積もることが必要です。
もちろん、やってみないとどれくらい時間がかかるかはわかりませんし、イレギュラーや突発的な案件をゼロにすることは不可能です。
そのため、ある程度余裕をもたせて計画することも必要です。
どれくらい余裕をもたせるかを考える上でも、それぞれのタスクにかかる時間を見積もることが必須になってきます。
まずはやったことがある仕事から、各タスクにかかる時間を予測し、都度見積もりを修正していけば、段々と予測は正確になっていきます。
その結果、上図にタスクを割り振れるようになっていくというわけです。
タスクを見積もって割り振ろうとした結果、どう頑張っても終わらないのであれば、タスクを諦める、仕事を減らすということも考えなければいけません。
正しく見積もるために、時間を記録する
タスクにかかる時間を正しく予測するには、「今までこれをやるのに○○時間かかった」という経験が必要です。
この経験が多ければ多いほど、より正確な時間の見積もりができます。
この「かかった時間」という経験値を増やすには、時間を記録することです。
記録し始めると、
- いかに普段の自分の見積もりが甘いか
- いかに上司・同僚・後輩・お客様からの割り込みが多いか
といったことに気付かされます。
僕は、最初に税理士事務所に就職したときから、この「時間の記録」を始めました。
税理士試験の勉強と仕事を両立させるため、仕事をできるだけ早く終わらせて残業しない必要がありました。
残業しないためには、仕事を納期・優先順位、重要度で日々割り振っていく必要があります。
この「割り振り」を上手くするために、各仕事にかかる時間を記録してみようと思ったのがきっかけです。
当時始めて、勤務時代はずっとやっていたのがExcelでの記録です。
このように、日付・仕事内容・開始時間・終了時間を入れていくシンプルなものです。
開始・終了時間を入れると自動的にかかった時間が計算されます。
今では、TaskChute Cloudというツールを使っています。
こちらは記録と見積もりを同時にできる、非常に優れた時間管理・タスク管理ツールです。
月額500円程度(年間一括だと5,000円程度)で使えます。
税理士試験の受験専念時代に使い始め、独立した今では毎日使っています。
当時は月額で払い、今は年間一括で払っています。
「タスクシュート」で調べると、無料のExcel版もネットにありますので、興味がある方は調べていただければ。
とはいえ、無料のExcel版はやや使いづらく、「いきなり有料のツールはちょっと…」という方も多いと思います。
まずはシンプルなExcelで記録だけやってみるのがおすすめです。
サンプルを置いておきますので、よろしければダウンロードしてお使いください。
Excelのテーブルという機能を使っていますので、空白行を入れずに下にそのまま入力していけば、算式が自動でコピーされます。
今日の日付を入れるときはcontrol+;、現在時刻を入れるときはcontrol+shift+;(Macは⌘+;)というショートカットキーを使うと便利です。
ピボットテーブルを使えば分析もできます。
時間を記録していくと、何もしていない空白の時間が見つかったり、時間がかかり過ぎている仕事、採算が合わない仕事なども見つかります。
効率化すべき仕事や、やめる仕事の洗い出しのヒントにもなります。
やらなくても良いことをやめ、本当にやるべきことを正しいタイミングでやっていけば、やりたいことをする時間も作れるようになっていくはずです。
時間簿、ぜひ試してみていただければ。
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Postscript執筆後記
今日はお客様の月次、自分の経理Excelの改善など。まず自分で実験してみて、お客様にフィードバックできるのが税理士業の良いところです。