会社員が副業のための会社を作ると本業の会社にバレる?リスクを税理士が解説!
副業がある程度儲かってきて、節税のために会社を作ってみたいと考える方も少なくないでしょう。
ここでは、会社員の方が会社を作った場合に、本業の会社にばれる可能性と、ばれないようにするための対策について考えてみたいと思います。
目次
謄本でばれる可能性
謄本は誰でも取れる
会社を設立するときには登記というものが必要です。(登記が完了して、はじめて「会社を設立した」ということになります。)
登記をすると履歴事項全部証明書、いわゆる謄本を取れるようになりますが、これは個人の住民票や印鑑証明書などと違って誰でも取れてしまいます。(お金を払ってネット上で見ることも可能。)
ですので、例えば自分が代表として会社を設立した場合、自分の名前が謄本にのります。
本業の会社の人が、あえて調べようとすることは少ないでしょうが、もし謄本を見られてしまうと会社を作ったことがばれてしまいます。
謄本でばれないようにするには
謄本に自分の名前が載らないようにするには、自分が表に立たないようにする必要があります。
自分が代表者や、役員になってしまうと名前が載ってしまいますので、自分の代わりに誰か信頼できる別の人を代表にするという手があります。
例えば、配偶者など親族を代表者にします。
実質的に自分が経営していたとしても、形式的な代表が自分以外であれば、謄本に名前は載りません。
ちなみに、役員にはならず株主にだけなっている場合にも、基本的には外部の人にはばれません。(法人税申告書や株主名簿を見られない限り。)
ただ、自分以外を代表とした場合、対外的な代表はあくまでその親族などになります。
お金を借りる時や、税務調査が入った際に、銀行の担当者や調査官が代表者であるその親族に色々と質問することがあります。
代表にされた親族は、事業の内容・状況などについてきちんと答えられるようにしておく必要はあるかと思います。
住民税でばれる可能性
給与所得の住民税は給与天引き
確定申告をするときに確定申告分に係る所得の住民税は、給与天引きとするか、自分で納付するか選ぶことができます。ただし、これは「給与・年金以外」の所得に係る住民税に限ります。
副業であっても、給与としてもらっている収入にかかる住民税は、原則として本業の給料から天引きされてしまいます。
例えば、自分で会社を設立し、その会社から自分に役員報酬(給料)を出すとします。
2箇所から給料をもらっている人は必ず確定申告が必要です。自分で作った会社と、本業の会社の給料を合わせて確定申告した場合、住民税は両方の給料をもとに計算され、本業の会社へ天引き額の通知がいきます。
正直、住民税の計算の仕組みをきちんと理解している経理担当者は少ないと思いますし、少額の役員報酬しか出していない場合は気づかれない可能性が高いです。もし多額の役員報酬を出している場合には、住民税の金額が大きく変動しますので、本業の会社に副業がばれる可能性はあります。
住民税でばれないようにするには
住民税で副業がばれないようにする方法として、まずひとつは、住民税の課税地である市区町村に連絡して、副業の会社の分の住民税に関しては、自分で納付できないか相談してみるという手があります。
対応してくれるかどうかは、市区町村によると思います。(原則的には給与天引きになりますが、ダメ元で聞いてみるのはありかと。)
もうひとつは、そもそも自分に役員報酬を出すのは諦めるといった方法です。
自分には役員報酬を出さずに、配偶者など親族を役員にし、その役員に対して役員報酬を出します。
役員報酬を出すのは個人ではできない会社ならではのメリットになります。ぜひとも役員報酬を出して節税したいところですが、自分に出すと住民税に影響が出てきます。そこで、親族に給料を払うことによって、住民税は変動させずに間接的に利益を享受するといった方法です。
この方法なら、住民税で本業の会社に副業がばれてしまうことはありません。
ただし、例えば扶養に入っていた配偶者などに役員報酬を出しすぎて、扶養から外れてしまうといったこともありえます。自分に出す場合も同じですが、いくら出すかは、税金や社会保険なども加味して検討しましょう。
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Postscript執筆後記
昨日は前の会社の後輩とランチ→士業の方と顔合わせ→大学時代の友人と久しぶりに再会。人とのつながりの有り難みを感じた一日でした。
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