フリーランスが青色決算書を作るときにチェックすべきポイントを税理士が解説。
フリーランスの方が確定申告するときには、事業所得の「青色申告決算書」を作る必要があります。
55万または65万円の青色申告特別控除を受ける場合には、損益計算書だけでなく貸借対照表も必要です。
青色申告決算書が正しく作れているか、ご自身でチェックするときに見ておきたいポイントを解説します。
便宜上、青色申告決算書の2、3→4→1ページという順序で見ていきます。
目次
月別売上、減価償却費等
月別売上等
青色決算書の2ページ目の左上に売上や仕入を入れる欄があります。
こちらは合計額だけ入れることもできますが、特に売上については月別にきちんと入れることをおすすめします。
最近では、持続化給付金などの各種給付金等の申請でこちらの金額を使用するケースが多いからです。
なお、青色申告であればこちらの金額は発生主義で入れる必要があります。
青色申告特別控除額の計算
2ページ目の右下に「青色申告特別控除額の計算」という欄があります。
利益が出ている場合で、
- 青色申告承認申請書を提出期限までに提出している
- 会計ソフトに仕訳を入れている
- 確定申告書に貸借対照表をつけている
という要件を満たしていれば65万控除が適用できます。
⑨欄に正しい金額が入っているか確認しましょう。
減価償却費の計算
3ページ目に「減価償却費の計算」欄があります。
こちらに本来であれば1年で経費にできる資産が入っていたりしないでしょうか?
運搬用のトラックなどであれば、減価償却資産としてこちらに載せなければならないケースが多いと思います。
一方、30万円未満のパソコンなどであれば買った年に全額経費にできます。
もちろん、減価償却しても問題ありませんが、今回の税金を減らしたいのであれば「消耗品費」に仕訳を変えておきましょう。
(クラウド会計ソフトなどでは「工具器具備品」などで登録され、自動で資産計上されてしまうことが多いです)
貸借対照表
現金
ご自身で経理をされている方の会計ソフトで良く見かけるのが、現金の残高が異様に多い(400万とか)ケースや残高がマイナスになっているケースです。
これは、クラウド会計ソフトなどで経費の支出や預金からの引き出しなどの相手勘定がすべて現金で仕訳されてしまっていることが原因である場合がほとんどです。
実際にご自宅に現金が数百万もあるわけでなければ、事業主貸または事業主借に振り替えておきましょう。
経費も、プライベートのクレジットカードで払っている場合は相手勘定は事業主借、事業用のクレジットカードで払っている場合は未払金を使います。
その他の預金
事業用の普通預金の残高はここに入れます。
12月末時点のネットバンクの実際残高と、会計ソフトの残高が合っているか確認しておきましょう。
ズレている場合は二重仕訳になっていたり、仕訳の登録が間違っている可能性があります。
売掛金
12月末までの売上で1月以降に入金があるものは「売掛金」として計上します。
売上当日に現金受領の場合以外は、ほとんどの場合金額が入るはずです。
税務調査でも指摘されやすいところになりますので、きちんと確認しておきましょう。
棚卸資産
飲食店や転売など在庫があるビジネスの場合は、12月末時点の在庫を数えて計上する必要があります。
ここに金額が入っていないと、「仕入金額」が過大ということになります。
前払金
先に払ってまだサービスを受けていないものがあれば前払金に計上します。
仮払源泉税
ご自身の売上につき、先方から源泉税を引かれて受け取っている場合の源泉税は「仮払源泉税」という科目を使うことをおすすめしています。
こちらは前年末の残高が消えているか確認しておきましょう。
金額が間違っていると、今回の確定申告で払うor戻ってくる税金も変わってきてしまいます。
開業費
開業1年目の確定申告で「開業費」に入れたものはここに載ったままになっています。
もちろんこのままでも問題ありませんが、利益が出て税金が出てしまう場合は、こちらを費用化することで税金を安くすることができます。
買掛金・未払金
すでに買ったモノ・すでに受けたサービスでまだまだお金を払っていないものは買掛金・未払金に計上します。
- 仕入れに関するもの→買掛金
- 仕入れ以外のもの→未払金
となります。
前受金
毎月定額の顧問料や保守料などで、1年分を一括で受け取る場合もあるかと思います。
その場合、翌年1月以降のサービス提供にかかるものは売上ではなく前受金とします。
事業主借・事業主貸
こちらはもしかするとマイナス残高になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、気にしなくて大丈夫です。
(翌年1月1日に相殺されて元入金になるため)
なお、経理のときは事業主借・事業主貸のどちらかしか使わないと決めていた方がシンプルでわかりやすいです。
損益計算書
売上金額
こちら「雑収入を含む」と書かれています。
先述の事業主としてもらっている給付金や補助金は雑収入に計上する必要あります。
また、融資を受けている場合の利子補給についても、今年の利息に対応する分は雑収入にします。(来年以降対応分は前受金)
「月別売上」のところに雑収入も入れる欄がありますので、今一度戻って確認してみましょう。
雑費
「雑費」という科目はできればあまり使わないことをおすすめします。
金額が小さければ問題ありませんが、自分でも何が入っているかわかりにくいですし、調査官としても見てみたくなるものです。
消耗品費・支払手数料・研修費など、何かしら性質を表す科目に変えておく方が良いでしょう。
差引金額
最後に、こちらの金額が会計ソフトと合っているかも忘れずに確認しておきます。
なお、青色決算書はfreee、マネーフォワード、弥生会計などの会計ソフトや国税庁の確定申告書等作成コーナーで作ることができます。
僕は自分も含めすべてのお客様の青色決算書は確定申告書等作成コーナーで作っています。
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Postscript執筆後記
今日は昨日のRPAの続きを。明日には完成予定なのでまた記事にします。
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