確定申告が終わったら「繰越処理」をしよう。各ソフトのやり方も紹介。
確定申告が終わったら、翌年度の入力を始める前に「繰越処理」をしておきましょう。
目次
繰越処理とは
「繰越処理」とは、「年度繰越」とも言い、決算が確定した後にその残高を翌年度に繰り越すことです。
個人の場合は、12月31日で会計期間が一区切りとなります。
その翌年1月1日から新しい会計期間が始まるわけですが、前年12月31日の残高をベースに新年度の入力を開始します。
繰越処理なんてしなくても、勝手に前年の残高を引き継いでくれれば良いのですが、会計ソフトによっては年度を新しくしただけでは、期首の残高がゼロになってしまいます。
預金やクレジットカードなどは会計ソフトに連携している方が多いと思いますので、正しく連携さえしていれば何もしなくても常に正しい残高となります。
一方、売掛金などは、期末に自分で正しく計上する必要があります。
仮に、12月分・翌年1月入金の売上100,000円がある場合、前年度末に
売掛金 / 売上 100,000
という仕訳を切りますが、新年度には連携している預金の自動仕訳だと
普通預金 / 売上 100,000
という形で入ってきてしまいます。
これをそのまま登録してしまうと、売上が2年にわたって二重計上になってしまいます。
そうならないために、貸方(右側)の「売上」を「売掛金」として、前年に計上した売掛金を消す処理が必要になります。
ところが、きちんと繰越処理をしていないと、1月1日時点での正しい売掛金の残高が会計ソフトの新年度に反映されていないので、この消込処理が正しくできないことになります。
(残高が0のまま消込をすると、仕訳後の売掛金残高が-100,000円になってしまいます。)
正しい仕訳を切るために、確定申告が終わって前年の残高が固まったら繰越処理をする必要があります。
ちなみに、事業主貸・事業主借・元入金の残高をどうすれば良いかわからない方もいらっしゃるかもしれませんが、特に気にせずそのまま繰越処理をしてしまって大丈夫です。
(事業主借・事業主貸のどちらかがマイナスになっていても問題ありません。)
各会計ソフトの繰越処理のやり方
弥生会計(やよいの青色申告)
弥生会計の場合は、左上の「ファイル」から「繰越処理」を選びます。
もちろん、繰越処理をした後でも、前年度に戻って仕訳を修正し、翌年度の期首に反映させることはできます。
新年度(翌期)の取引を入力したい| やよいの青色申告 サポート情報
なお、クラウド版の「やよいの青色申告オンライン」は確定申告の処理をいったん終わらせないと繰越処理ができないようです。
確定申告をしていなくても翌年度に切り替えれば入力はできますので、確定申告が後になりそうな場合は、とりあえず翌年度に切り替えて入力を進め、確定申告が終わったあとに最終残高を反映させる形になると思います。
freee
「確定申告」のタブから、一番下の「年度締め」を選びます。
「今年度を確定する」をクリックします。
マネーフォワード
「マネーフォワードクラウド確定申告」の場合は、ホーム画面左の「決算・申告」から「次年度繰越」を選択します。
残高を翌年に繰り越す場合は、「データを繰越して次年度を作成」を選びます。
残高が変わる場合にも、前年に戻って修正し、同じ処理をすれば修正後の残高が翌年に反映されます。
大抵のソフトは翌年度分を先に入力し始め、確定申告が終わったら戻って残高を反映させることはできます。
ただ、入力を開始する時点で前年度末の残高が固まっていた方が、新年度の入力もしやすいです。
前年の確定申告は、年が明けてすぐに終わらせてしまうのがおすすめです。
迅速に確定申告を終わらせるためには、日々の経理が大切です。
※当記事の内容は執筆時現在の状況等に基づいております。ソフトのアップデート等には対応していない場合がございますので、ご注意ください。
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Postscript執筆後記
今日は決算、確定申告、自分の月次。仕事量が多くなると嬉しい反面少し憂鬱なのですが、そんなときは売上を会計ソフトやExcelに入力してみるとテンションが上がります。
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