家を買うときに資金援助してもらったら税金がかかる?非課税になる場合の要件と注意点。
マイホームを買うときに、親御さんから購入資金を援助してもらうこともあるかと思います。
その際に税金面で気をつけることについてまとめてみました。
目次
お金をもらったら税金がかかる
何か自分にお金が入ってきたときには税金がかかる。
これは、税の法律の基本です。
給料をもらったり、フリーランスの場合は事業の利益が出ていれば所得税がかかります。
会社で利益が出ている場合は、法人税がとられます。
そして、タダでお金をもらったときにかかるのが贈与税です。
給料など、働いてもらったお金にも税金がかかるわけです。
ある意味、ただでもらったら税金が取られるのは当たり前とも言えます。
しかしながら、「何でもかんでも税金をかけるのはいかがなものか」ということもあり、社会的・政策的配慮により税金がかからないものもあるのです。
贈与税にも、色々な非課税規定があります。
そのうちのひとつが「住宅を買うお金としてもらった金額のうち、一定のものは税金をかけない」というものです。(以下、「住宅取得資金の非課税」とします。)
非課税の要件と注意点
「住宅取得資金の非課税」とは、住宅の種類により、2021年12月31日までに購入契約を締結した住宅を買うための資金を親や祖父母から援助してもらった場合には、最大で1,000万(省エネ等住宅の場合、1,500万)円まで贈与税がかからないというものです。
(来年以降、延長される可能性もありますが、現時点では未定です)
以下、主な要件と見落としがちなところについて列挙します。
細かい要件等は、こちらを見ていただければと思います。
No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁
もらう人の年齢
資金を援助してもらう人は、2021年1月1日時点で20歳以上でなければなりません。
2021年の途中で20歳になる場合には対象外です。
もらう人の所得
お金をもらう人のその年の合計所得金額が2,000万円(一定の場合には、1,000万円)以下である必要があります。
年収が1,000万円以下であれば、確実に大丈夫です。
新築または取得の期限
2022年3月15日までに新築または物件の引き渡しを受けている必要があります。
こちらは法律を細かくみていかないと出てこないのですが、実は新築と購入は細かく分けられています。
- 一戸建てなど、請負契約で一から作ってもらう場合→新築
- 建売または分譲マンションなど→取得
とされています。
新築の場合、3/15までに少なくとも屋根ができていて、棟上げが完了していれば「新築」であるとみなされます。
つまり、この状態までいっていれば、物件の引き渡しを受けていなくても非課税の適用を受けられる可能性があるということです。
一方、建売や分譲マンションの場合には、引き渡しが3/15までに完了していなければいけません。
最近は分譲マンションを完成前に購入するケースも多いと思います。
こちらの分譲の場合は、新築と同じように棟上げなどが完了していても、引き渡しを受けていなければ非課税の適用を受けることができないのです。
何だか不公平なようですが、建売や分譲マンションの場合には注意しましょう。
ちなみに、どちらも3/15までに新築または引き渡しが終わっていれば、実際に住み始めるのは3/16以降でも大丈夫です。(遅くとも、2022年12月31日までには住み始めている必要があります。)
贈与税が出なくても申告が必要
仮に、援助してもらう金額が900万などで、贈与税が発生しない場合もあります。
このようなケースであっても、非課税の適用を受けるには贈与税の申告が必要です。
提出が遅れると受けられない
贈与税の申告書の提出期限は翌年3/15です。(また来年も延長される可能性はありますが)
遅れてしまうと非課税の適用は受けられなくなってしまいますので、注意してください。
住宅ローン控除を受ける場合は注意
家を買うときに住宅ローンを組んだ場合には、確定申告または年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。
住宅取得資金の非課税の適用を受け、さらに住宅ローンを組む場合には、住宅ローンの年末残高から、非課税の適用を受けた金額を控除して住宅ローン控除を計算します。
頭金の支払いと引き渡しが年をまたぐときは要注意
分譲マンションなどを購入する際に、先に頭金を払うケースがほとんどかと思います。
このとき、
- 頭金の支払い
- 購入契約
- 残金の支払い(引き渡し)
のすべてが2021年中に完了する場合には問題ありません。
もし、頭金の支払いのみが2021年で、残金の支払いが2022年の場合は注意が必要です。
頭金がご自身で払える場合は問題ないですが、頭金も残金も両方援助してもらう場合は、現状頭金だけしか非課税になりません。(法律が延長される可能性はありますが)
そもそも、建売・分譲マンションの場合は引き渡しが3/15までに完了していないと使えません。
なかなか要件が細かくなっていますので、住宅取得資金の非課税の適用を受けようとする際には、良く確認していただければと思います。
ちなみに、相続時精算課税との併用も可能です。
※当記事の内容は執筆時現在の法令等に基づいております。改正や個別の案件等には対応していない場合がございますので、ご注意ください。
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Postscript執筆後記
今日は若干落ち込むことが。日々の習慣をこなし、何とか正常運転に。
こういうときは淡々とこなせるタスクを用意しておくのが大事かと。