融資を受けたときの借入時・返済・利息の仕訳と会計ソフトへの入力。
融資を受けたときの借入時、返済時、利息の支払い時の仕訳について解説します。
今回は、日本政策金融公庫から借入をしたと仮定して考えてみます。
目次
借入時の仕訳
- 借入金額:500万円
- 融資手数料:200円
- 団体信用生命保険の初年度特約料:10,000円
とします。(金額は適当です)
仕訳は、個人事業主(フリーランス)と法人でそれぞれ以下のようになります。
【個人事業主】
普通預金 4,980,800 / 長期借入金 5,000,000
支払手数料 200 /
事業主貸 10,000 /
事業主貸は事業主借でもOKです。
会計ソフトに「長期借入金」がなければ、「借入金」でも問題ありません。
以下のような形でも可。
普通預金 5,000,000 / 長期借入金 5,000,000
支払手数料 200 / 普通預金 200
事業主貸 10,000 / 普通預金 10,000
【法人】
普通預金 4,980,800 / 長期借入金 5,000,000
支払手数料 200 /
保険料 10,000 /
消費税は、支払手数料は課税、保険料は非課税です。
個人と法人では、上記の通り団体信用生命保険の取り扱いが異なります。
法人の場合は経費になりますが、個人の場合は経費になりません。
これは、団体信用生命保険が借入に対する保障という性質のもので、直接売上を上げるのに貢献するものではないという考え方からです。(事業に関係する支出じゃん、と言われればそうなのですが…)
年末調整や確定申告でも保険料控除の対象になりませんので、注意しましょう。
利息の支払い時の仕訳
利息を支払ったときは、以下のような仕訳になります。
(利息は2,000円とします。)
支払利息 2,000 / 普通預金 2,000
融資を受けたときは「据え置き期間」といって、元本の返済を猶予してもらう期間を設定することが多いです。
据置期間は利息の支払いだけになりますので、上記のような仕訳を切ります。
(預金を会計ソフトに連携していれば、一度科目を設定しておけば次から自動で「支払利息」を選んでくれます。)
返済時の仕訳
借入金の返済時の仕訳は以下のようになります。
(元利均等返済で返済額は毎月50,000円、利息は2,000円とします。)
長期借入金 48,000 / 普通預金 50,000
支払利息 2,000 /
会計ソフトに連携していても、借方(左側)の長期借入金・支払利息の数字は自動で入ってきません。
こちらは、公庫や銀行から送られてくる返済表(公庫だと「お支払額明細書」。借入後、1、2周間くらいで送られてきます)を見て入力しましょう。
決算時(確定申告時)
期末には、会計ソフト上の借入金の残高と、返済表の借入金の残高が一致しているか確認します。
残高があっていれば、期中の仕訳も合っているということです。
12月決算であれば、「お支払額明細書」の「お支払年月日」が12月のところの「お支払後の残高」を確認します。
この金額が会計ソフト上の借入金の残高と一致していればOKです。
また、可能であれば、次の仕訳もやっておいた方が別の銀行などに決算書を提出する際に親切です。
長期借入金のうち、期末から1年以内に返済されるものは「1年以内返済長期借入金」という勘定科目に振り替えます。
(最初から会計ソフトにない場合は、「科目設定」のようなところで作成します。)
毎月5万の元金均等返済の場合は、5万×12ヶ月=60万となりますので、
長期借入金 600,000 / 1年以内返済長期借入金 600,000
となります。
元利均等返済の場合も、返済表の来期末の残高から、当期末の残高をマイナスすれば簡単に求められます。
融資を受けた場合は、会計ソフトに入力するのはもちろん、資金繰り表も作っておいた方が良いでしょう。
借入は自分のお金ではないのですが、融資を受けて預金残高が増えると気が大きくなってしまいがちです。
ついつい無駄なことにお金を使ってしまう危険もあります。
資金繰り表をつけ、いつから返済が始まるか、いくら返済のためにお金が必要なのか把握しておけば、返済が始まるときに慌てなくて済みます。
サービスメニュー
Postscript執筆後記
先日functions.phpをいじったところ、HPの本文が表示されなくなってしまいました。(今日初めて気づきました…)
該当のコードを削除して無事表示されましたが、カスタマイズが上手くいったと思ったのに残念です。
まだまだ勉強不足だと思い知らされました。
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