【UiPath Studio X】RPAで税理士情報をExcelからe-Taxソフト(WEB版)に自動で入力。
e-Taxソフト(WEB版)では税理士がお客様の税務届出書を代理で作成・提出することができます。
RPAのUiPath Studio Xを使い、届出書作成時の税理士情報入力を効率化する方法の紹介です。
目次
e-Taxソフト(WEB版)での届出書作成
お客様の届出書を作成する場合、税務ソフトを使っている税理士が多いと思います。
それが手っ取り早いのは事実ですが、毎年数万のお金がかかります。
仮に毎年1万、今後30年税理士を続けるとした場合、トータルで30万の支出になるわけです。
「安い」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、僕は使いづらくインターフェイスも良くない税務ソフトになるべくお金をかけたくありません。
そこで、無料で届出書を作成する選択肢としては国税庁のe-Taxソフトがあります。
e-Taxソフトでも届出書の作成はできますが、使いやすさという点では、民間の税務ソフトに劣るのも事実。
特に、一般の税務ソフトは税理士情報を一度登録しておけば、それを呼び出して必要な箇所に自動で入力してくれます。
一方、e-Taxソフトではそれができません。
ところで、税理士情報など、何度も同じ情報を入れるような行為はRPAを始めとするプログラミングが得意とする分野です。
そのため、税理士情報など複数回入力する箇所をRPAで自動化してしまえば、e-Taxソフトで届出書を作るめんどくささが軽減されます。
今回は、届出書作成の前段階の税理士情報を入れるところまでをRPAのUiPath Studio Xで自動化してみます。
なお、UiPath Studio Xのインストールについてはこちらで解説しています。
Webレコーダーで操作を記録
まずは、
e-Taxソフトにログイン→「申告・申請・納税」をクリック→新規作成の「操作に進む」をクリック→「法人設立及び異動手続きの申請・届出」をクリック
というところまでを「アプリ/Webレコーダー」で記録させます。
この辺りのやり方はこちらを参考にしていただければと思います。
今回初めて作る方はそのまま続きを作っていただければ問題ありませんが、こちらの記事のプログラムをすでに作っている方は、そのプロジェクトをコピーして作ると楽です。
(コピーのやり方も上記の記事で紹介しています)
ちなみに、プロジェクトを実行してみて上手く要素を認識しないときは、アンカーを2つ設定すると認識してくれることが多いです。
また、ブラウザの左下に「javascript:void(0)」と出てページが遷移しないときは、ブラウザのキャッシュを削除(Ctrl+Shift+RまたはShiftを押しながら更新ボタンをクリック)すると上手くいく可能性が高いです。
「法人設立及び異動手続きの申請・届出」をクリックした後、代理送信か本人分送信かを選ぶ画面になります。
この後、右下の「次へ」をクリックするのですが、僕の場合はここでエラーになったため、2秒の待機時間を設定しました。
(アクティビティの下の「+」ボタンをクリックし、「待機」と検索すれば出てきます。)
待機時間は「+」ボタンの「詳細エディターを開く」で変更できます。
その後のクリックは再びWebレコーダーで記録するか、左のアクティビティから「クリック」をドラッグして追加します。
次のページはお客様の情報や税理士情報を入力する画面です。
お客様の情報は初回だけ手入力し、次からはデータをe-Taxソフトの方で読み込めば良いと考えていますが、初回の分もExcelから読み取りたいという方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、後述の税理士情報読み取りの方法を参考に作っていただければと思います。
直前の「クリック」アクティビティの下に「Excelファイルを使用」アクティビティをドラッグします。
右のフォルダのアイコンをクリックして後ほど作成する「税理士情報」というファイルを指定します。(使うExcelは後ほど作成します)
次に、「Excelファイルを使用」アクティビティの中に「アプリケーション/ブラウザーを使用」アクティビティをドラッグし、Chromeで現在開いているe-Taxのページを指定します。
その後は再びWebレコーディングで税理士情報を入力する動作を記録させます。
後でExcelから読み取りますので、番号や住所は適当で大丈夫です。
なお、都道府県を選択するところがExcelから上手く読み取りができなかったため、この部分は直接指定してレコーディングしています。
税理士情報の入力が終わったら、レコーディングを停止して保存します。
Excelから税理士情報を読み取り
Excelを作成
税理士情報を読み取るExcelを作成します。(プログラムを作る前にこちらを先に作っていただいても構いません)
Excelから読み取らずに、直接Webレコーディング時に記録させても良いのですが、税理士事務所の移転などがあったときにExcelから読み取る方法の方が便利です。(Excelを修正するだけで済みます)
今回は「税理士時情報」というファイル名で、以下のような体裁にしました。
利用者識別番号のところは、右クリック→セルの書式設定で「文字列」にしておきます。
「丁目・番地」は全角で入力します。
僕は住所を直接入れましたが、郵便番号だけExcelから読み取り、市区町村まではe-Taxソフトの方で表示させるプログラムにしても良いかもしれません。
Excelから読み取り
ここまでくれば、後はレコーディングした部分をExcelから読み取るように変更するだけです。
レコーディングした各「文字を入力」アクティビティの「以下を入力」の横の「+」ボタンを押し、「税理士情報」→「Excel内で示す」と指定して読み取るセルを選択します。
上図では、利用者識別番号の2番目なのでC1セルです。
同様にして「ビル名等」の部分まで読み取らせれば完成です。
実行してみてエラーが出ないか確認してみます。
同じ要領で、他の部分も自動化できます。
サービスメニュー
Postscript執筆後記
今日はお客様の届出書提出、HPのメンテナンスなどを。e-Taxソフト(WEB版)は代理権限証書を作れないのがネックですね。(デスクトップ版で作ってWEB版で取り込みは可能)
WEB版でも作れるように対応してほしいところです。