一般社団法人は普通法人と同じ部分もあれば、違う部分もあります。

両者の違い・共通点にも触れながら、一般社団法人の会計や税金計算上のポイントについてお伝えします。

なお、ここでは収益事業を行う普通方式型の一般社団法人を中心に解説していきます。

目次

一般社団法人の会計・経理

一般社団法人・財団法人は公益法人会計・企業会計のどちらも採用することができます。

「一般社団法人」という名前であっても、収益事業を行う普通法人型の一般社団法人であれば、企業会計を採用する方がおすすめです。

なお、一般的な会計ソフトは公益法人会計に対応していないものが多いです。

公益法人会計を採用する場合、安価でメジャーな会計ソフトを使う場合は別途Excelなどで決算書を作る必要があります。

 

企業会計とは、いわゆる“普通の会社”がやっている会計です。

一般社団法人であってもほとんど株式会社や合同会社と同じような処理になりますので、freee、マネーフォワード、弥生会計のような一般的な会計ソフトで十分対応できます。

なお、企業会計と公益法人会計は決算書の表示科目や作成書類などが変わるだけで、どちらで計算しても税額は同じです。

 

ちなみに、一般社団法人であっても青色申告の適用を受けることができます。

1期目から青色申告にする場合は、青色申告承認申請書を設立から3ヶ月以内に提出する必要があります。

忘れずに出しておきましょう。

一定の手続きをすればネットで出すこともできます。

一般社団法人の税務上の取り扱い

一般社団法人は、税金計算上は「非営利型法人」と「普通法人型の一般社団法人」に分かれます。

非営利型法人の詳しい説明はここではしませんが、

  • 剰余金の分配を行わない
  • 解散したときに残余財産を国や地方公共団体に帰属させることを定款で定めている
  • 理事が3人以上いる(理事が親族などの特殊な関係がない人同士の場合)

など一定の要件を満たす法人です。

非営利型法人の要件に該当しない一般社団法人は、普通法人型ということになります。

 

非営利型法人は収益事業のみに法人税がかかります。

一方、普通法人型の一般社団法人はいわゆる“普通の会社”と同じ位置づけになりますので、すべての収入に対して課税されます。

 

法人税率は普通の中小法人と同じで、利益が年間800万円までは15%、800万円を超える部分は23.2%です。

なお、法人税以外に地方法人税、法人事業税、法人住民税などもかかります。(これらすべてひっくるめて、いわゆる「法人税」「法人税等」と呼ばれています)

 

また、法人が納める税金の中には、「法人都道府県民税均等割」といって、利益が出ていなくてもかかるものがあります。

これは、東京都23区内に本店のみがある一般社団法人・一般財団法人であれば、年間7万円、23区外の市区町村のみに本店がある場合は年間20,000円です。

株式会社や合同会社などの普通法人の場合は、資本金等の額や従業員数によって均等割の金額は変わります。

一般社団法人・財団法人は資本金がありませんので、資本金等による金額の区分はないというわけです。

一般社団法人の決算

普通法人型の一般社団法人は普通の会社の決算とほとんど同じですが、違う部分もあります。

作成書類

一般社団法人は資本金がありませんので、企業会計を採用する場合でも「株主資本等変動計算書」は必要ありません。

また、「株主」もいませんので、法人税の申告書に添付する「別表二『「同族会社等の判定に関する明細書』」も作成する必要はありません。

均等割の申告・納付時期

一般社団法人の決算で気をつけないといけないのは均等割です。

普通法人の場合は、決算月から2ヶ月以内に国税と地方税の申告をします。

利益が出ていなければ税金は均等割だけですが、均等割もこのときに払います。

 

ところが、一般社団法人はどの法人であっても均等割の計算期間が毎年4/1〜3/31と決まっています。

また、均等割の申告・支払いも4月末までとなっており、期間が1ヶ月しかありません。

決算が3月末の一般社団法人であればまだわかりやすいですが、3月決算以外の一般社団法人は国税と地方税の申告のタイミングが別になりますので、注意が必要です。

 

なお、東京都に申告する場合の均等割の明細は「第11号様式」という特殊な書類を使います。

税務ソフトで作れない場合がありますので、その場合は手書きして郵送で提出します。

 

もし決算を税理士にお願いする場合は、以下のものを準備しておきましょう。

  • 謄本
  • 定款
  • 税務署・都税事務所への届出書一式
  • 会計データ
  • 領収書、請求書類

 

 

 

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Postscript執筆後記

今日は税理士の電子証明書を郵便局に取りに行く予定でしたが、17時に間に合わず…。
自宅に送ってもらえると楽なのですが。

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Seiji Aihara / 相原 征爾

Seiji Aihara / 相原 征爾

お金・時間・やりがいなどのバランスを取り人生を楽しむことをサポートする、東京の30代税理士。ひとり社長。

得意な仕事はクラウド会計の導入・ペーパーレス化・経理業務効率化・各種シミュレーション・独立支援など。
遠方・オンライン・スポット対応可能です。
簿記がわからなくても、一から経理ができるようにお伝えします。
Windows・Mac両対応。

音楽、映画、インターネット、カレー、クラフトビールが大好き。
名刺、ロゴ、WordPressテーマ、本の表紙から音楽まで自作する、自称超クリエイティブ。

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著書 『知識・経験ゼロでも独立して人生を楽しむ方法』