株式会社と合同会社の違い。ひとりで会社を作るならどちらがおすすめ?
会社を作るときに迷うのが株式会社にするか、合同会社にするか。
両者の違いをまとめてみました。
目次
株式会社と合同会社の違い
株式会社と合同会社には主に以下のような違いがあります。
信用度
世間一般では、株式会社の方が知名度があります。
やはり、「合同会社」と聞くと、馴染みがなく「?」となる人も多いのは事実です。
Googleも合同会社ですし、徐々に知名度は上がってきているものの、まだ株式会社の方が知名度は上でしょう。
株式会社の方が信用力があるのか?というと疑問ですが、そのように思われている節もあります。
大企業などと取引があり、先方が株式会社の方が良いということであれば、株式会社にするしかありません。
所有と経営の分離
株式会社の場合、経営者と出資する人(株主)を別にすることができます。
たとえば、父親が会社に全額出資をするものの、息子を社長にして、経営は息子に任せるということができるのです。
一方、合同会社の場合は出資者が経営の意思決定を行います。
原則として出資者=経営者というわけです。
株式会社は、出資する人が必ずしも経営に携わる必要がないことから、投資家などからの資金を集めやすくなっています。
出資する人と経営者を分けたい、出資を募って会社を大きくしていきたいのであれば、株式会社の方が良いでしょう。
上場できるかどうか
株式会社は上場できますが、合同会社は上場できません。
将来的に上場を目指すのであれば、株式会社にしておく方が良いです。
利益配分
小さい会社の場合、そもそも配当をすることは少ないのですが、株式会社の場合は原則として出資額に応じて利益を配分します。
合同会社の場合は、利益配分の割合は定款で自由に決めることができます。
社長の名称
株式会社は「代表取締役」、合同会社は「代表社員」です。
どちらも「社長」ではあるのですが、「代表社員」はあまり聞き慣れないですよね。
どうしても代表取締役を名乗りたい人(笑)は株式会社にしましょう。
役員の任期
株式会社は役員の任期があり、最大10年です。
合同会社には任期がありません。
株式会社で任期を更新する場合には、その都度登記が必要になり、登記費用がかかります。
預金(通帳)で出てくる略称
預金口座では法人名義は略称を使います。
株式会社の場合、カ)または(カ ですが、合同会社の場合 ド)または(ド となります。
見慣れない方も多く、気になる方もいらっしゃるかもしれません。
設立費用
株式会社はだいたい20〜30万、合同会社は6〜11万くらいで作れます。
やり方にもよりますが、10〜20万円くらい差があります。
ちなみに、最初に合同会社で設立し、後で株式会社に変えるということもできます。
ここら辺はこちらに詳しく書きました。
税務上の取り扱いは同じ
上記のような違いはありますが、実は税金計算上は株式会社も合同会社も全く同じ取扱いになります。
株式会社だから得、合同会社だから損、といったことはありません。
ちなみに、合同会社も株式会社もどちらも出資者は有限責任です。
つまり、会社の債務は自分の出資した金額までしか責任を負わなくて良いのです。
ただし、中小企業の場合、金融機関から融資を受ける際には経営者が連帯保証人となるケースがあります。
そのような場合には、実質的には無限責任となることがほとんどです。
ここまでをまとめると以下のようになります。
株式会社 | 合同会社 | |
---|---|---|
知名度 | 高い | 低い |
所有と経営の分離 | できる | できない |
上場できるかどうか | できる | できない |
利益配分 | 出資額に応じて | 自由に決められる |
社長の呼び方 | 代表取締役 | 代表社員 |
役員の任期 | 最大10年 | 無期(なし) |
預金の略称 | カ)または(カ | ド)または(ド |
設立費用 | 20〜30万くらい | 6〜11万くらい |
税務上の取り扱い | 普通法人扱い | 普通法人扱い |
出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 |
ひとり起業におすすめなのは?
ひとりで会社を作る場合は、
- 取引先の関係で株式会社が良い
- 代表取締役を名乗りたい
ということであれば、株式会社、そうでないなら合同会社がおすすめです。
やはり設立費用が15万くらい変わってきてしまうのが一番大きいです。
株式会社にしたくなったらそのとき変えれば良いですし。
ちなみに、「起業」と聞くと会社のイメージがありますが、個人事業主(フリーランス)でも起業はできます。
その場合、設立費用は0円です。
屋号(会社名のようなもの)をつけることもでき、預金名義に入れることもできます。
特にこだわりがなければ、まずは個人事業主で始め、利益が400万くらい、または売上が1,000万くらいになったら法人化を考えるというのでも十分です。
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Postscript執筆後記
今日は気持ちの良い気温だったので外でブログ執筆。やはりたまに場所を変えるとはかどります。
好きな場所で仕事ができるのも独立後の良いところです。